香港で7月28日に行われたデモで、市民は21日に起きた襲撃事件に抗議した(Billy H.C.Kwok/Getty Images)

〈香港デモ〉来週に大規模なスト実施か「自由は仕事より大事」

香港市民はこのほど、「逃亡犯条例」改正案をめぐり、インターネット上で8月5日、集団ストライキと抗議集会に参加するよう市民に呼び掛けた。7月30日朝、一部の市民が、地下鉄の運行を妨げる「非協力運動」を行った。抗議行動は今後さらに拡大するとみられる。

香港メディアによると、21日に元朗区の地下鉄駅で、帰宅途中のデモ参加者が白服を着用した集団に襲撃されたことや、警察当局が催涙弾やゴム弾などを大量に使用してデモを過剰に制圧したことに対して、市民の怒りは高まっているという。このため、市民はフェイスブック上で、「8・5全香港ストライキ・7つの地区で集会」の開催を計画した。

発起人は声明で、「香港政府は今まで市民の訴えに全く耳を傾けず、警察当局は平和に抗議活動を行う市民に不条理にも武力を使ってきた。7月21日の市民襲撃事件においても、警察は迅速に阻止することができなかった」と非難した。

声明は、今後「公正・理性・非暴力」を基に、政府に対して改正案の完全撤回などを求めていくとした。また「自由は安定した仕事よりも重要だ」として、香港市民全員のスト参加を促した。

一方、声明は緊急救命などに従事する市民に対して、8月5日は「いつも通りに出勤するように」と配慮を見せた。

同声明によると、5日午後1時頃、香港島の金鍾(アドミラルティ)にあるタマル・パーク(Tamar Park)など7つの場所で同時に集会が開催される。

また、7月30日朝7時半ごろ、一部の若者は複数の駅や車内で「非協力運動」を行った。若者らは、電車のドアの近くで立ちふさがったり、緊急ボタンを押したりした。この影響で、地下鉄の運行が数時間遅延した。

バス業界の組合、「新巴職工会」と「巴士業職工会連盟」も30日ネット上で、非協力運動に参加すると発表した。

香港メディア「東網」などによると、同日、交通機関の乱れがあったが、市民は理解と支持を示した。

2014年の大規模な抗議デモ「雨傘運動」の元学生リーダー、羅冠聡氏は香港メディアに対して、現在、市民の政府への不満が高まっており、8月には抗議活動がさらに拡大するとの認識を述べた。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。