華為と技術協力するBYD、マイアミでモノレール建設計画 米議員が懸念
中国自動車メーカーBYDと、カジノ運営大手ゲンティンは、フロリダ州のマイアミにカジノ施設およびモノレールの建設計画をマイアミ・デイド郡政府に提出した。マイアミ選出議員マルコ・ルビオ議員らは、中国政府支援のBYDが米国の公共事業に関わることは、重大な安全保障上の懸念が生じると警告している。
マイアミ選出の連邦議会マルコ・ルビオ議員(共和党)と同リック・スコット議員、および他の共和党2議員は15日、マイアミ・デイド郡政府トップ、カルロス・ヒメネス氏宛てに公開書簡を送った。
「中国政府の支援を受けた企業とのインフラ計画は、米国の経済および国家安全保障への潜在的な危険性が生じる。よく検討してほしい」と書簡には書かれている。
地元紙マイアミ・ヘラルド7月19日によると、このモノレールは、ゲンティン運営のカジノ施設地域からサウスビーチまでの6キロに建設される予定で、総工費は4億ドル。ゲンティン側の提案では、公共交通としてマイアミから公的資金で約2億4000万ドルの予算を求めている。
ヒメネス郡長は、モノレールの年間コストは、高速バスの公共交通網3億ドルよりも安いとした。
先の4議員のうち3議員は19日にも書簡を公開し、「中国国営企業や政府助成金を受けた企業による、海外におけるインフラ入札は、コスト面で有利に見える。しかし、フロリダおよび国にとって重大なスパイの危険をもたらす恐れがあり、憂慮している」と書いた。
3議員は書簡で、中国国家計画の中には、米国など海外の「公共交通の部門で圧倒的な優位に立つ」があり、BYDの技術的協力者にはファーウェイ(華為技術)があると指摘した。
BYDはすでに米国の交通機関の一手を担っており、米国地方における公共交通網ルートで電気バスを走らせている。
BYDは日本法人があり、盛岡、尾瀬、京都には交通網の一つとしてBYDの電気バスが走っている。ほか大型クルーズ船客を港湾で乗下車させる観光送迎バスにも使用されている。
マイアミ郡当局者たちは先週、中国側が招待する形で、中国で走るBYDのモノレールを視察した。訪中団には、マイアミ交通局長らが含まれる。
地元紙マイアミ・ヘラルドが伝えた内情通の話によると、ヒメネス郡長はすでにモノレール計画について7月15日の群内会議で持ち出しているという。
7月、マイアミ議会の13人の超党派議員は、中国に関連するモノレール計画に強く反対する声明を出した。
(編集・佐渡道世)