ソマリア出身のイルハン・オマル米議会議員(GettyImages)

トランプ氏「米国で幸せになれないなら出ていけば」移民系女性議員の口撃に反応

イルハン・オマル米下院議員はこのほど、トランプ大統領の支持者は、彼同様に「レイシスト」だと主張する意見を広げている。大統領は直接ではないが、彼女の反米的な意見と社会主義思想の意見に反論する形で、「われわれは決して社会主義や共産主義の国にならない」「米国で幸せになれないなら出ていけばいい。あなたの決断次第だ」と書いた。

米議会議員のなかでもかなり左傾化した思想を持つオマル議員は、このほどツイッターで、ネットメディアのデイリー・ビーストが掲載した「トランプ大統領はレイシストで、彼を支持するならあなたもレイシスト」と題した記事を共有した。

発端は、14日のトランプ大統領による移民系民主党議員に関するツイッターの書き込みによる。「世界で最も破壊的で、無機能で、犯罪が蔓延する国からきた『進歩的な』民主党の女性議員たちが、地球上で最も権力のある国家の米国と人々に対して、悪意を持って大声で、どう国家運営したらいいかを主張するのは、とても興味深い」

「なぜ彼女たちは自国に戻り、国の立ち治りを手伝わないのだろうか。それで戻ってきて、どんな手法を使ったのかを見せて欲しい。あの国々は強く彼女たちの力を必要としている」と書き込んだ。

デイリー・ビーストの記事は「トランプ氏は立派な人ではない」「彼が日曜日に発した言葉は、無礼な人種差別主義だ。もし彼を支持するなら、あなたもそうだ」と主張した。

トランプ大統領は名指ししなかったが、ソマリア難民で2000年に米市民権を取得したイルハン・オマル議員を指したとみられる。他にトランプ政権に批判的なアレクサンドリア・オカシオコルテス議員、アヤナ・プレスリー議員、ラシダ・トレイブ議員の3人の移民系の女性議員が考えられる。4人の女性議員はトランプ氏のほか下院民主党主導部に対しても批判的な意見を主張している。

米民主党のナンシー・ペロシ下院議長は15日、民主党は、トランプ大統領の「排他主義的」なツイートは白人至上主義を助長しているとし、非難する決議を採択する方針だと明らかにした。

「レイシスト」と決めつけ

トランプ大統領は、先のコメントに続いて、彼女たちが米国やイスラエルについて酷い話を広げるとき、こちらが批判すれば、「レイシストだと決めつけられる」と不満を述べた。オマル氏は、反ユダヤ意見でも知られる。

さきの4人の女性議員たちは、大統領の書き込みに相次ぎ反応した。プレスリー議員は、「レイシスト的だ。私たちは民主主義がどのようなものかを示している。私たちはどこへも行かない」

トレイブ議員は、「ちょっと、大統領。私は米議会議員の責任として、自国(米国)の腐敗と毎日闘っている。私は、デトロイトで大統領の攻撃や侮辱と戦う方法を学んだ。発言を続ければいい。あなたはもうすぐホワイトハウスから退出する」と書いた。

オマル議員は、複数のトランプ氏支持者の「レイシスト」と見なされかねない意見や、自分を擁護する意見を共有して、さらに返答を続けた。「大統領。連邦議会議員として、私たちが宣誓する唯一の国は米国だ。私たちがこれまでに見た中で最悪の、最も腐敗している不適切な大統領から、これ(国)を守るために戦っている」「あなたは白人の国家至上主義で、憎しみに満ちたあなたの政策、議題と闘う私たちを見て、嘲笑している」

オマル議員は2019年3月、米国イスラム人権組織「米イスラム関係評議会(CAIR)」でのスピーチで、CAIRの設立理由について「9・11は、ある人たちが何かをした(Some People Did Something)と認識され、イスラム教徒による自由な市民の権利は奪われ始めた」と語った。米社会では、テロ攻撃の脅威を軽んじる議員の発言として強く問題視された。大統領は、オマル氏の該当の発言動画をツイッターに掲載した。

大統領は15日、「私たちは決して社会主義や共産主義の国にならない。もしここで幸せではないなら、出ていける。あなたの選択だ。これは米国への愛の話だ。一部の人は私たちの国が大嫌いなようだ…」と書いた。

「彼・彼女たちは反イスラエルで、アルカイダ要員で、9・11について『誰かが何かをした』と表現した。過激な民主党員は、薬物犯罪や人身売買など多くの問題となっている、開かれた国境を放置したがる」と指摘した。

(編集・佐渡道世)

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