(Illustration - Shutterstock)

6時間も極寒-30℃の中で「まるで氷の彫刻」になった女性の結末は

これは約40年前に実際に起こった話である。

ジャン・ヒリアードさん当時19歳は、ミネソタ州レグビーで凍える夜を過ごした。1980年12月20日。友達の家に行った帰りの運転で、凍った道にハンドルを取られ、事故に遭ってしまう。

幸いにも、無傷で車から脱出したジャンさん。しかしこの時、外の気温は-30℃。車にいたままでは確実に凍死してしまうと考えた彼女は、近くに避難できる場所を探しにコートと手袋という防寒具のみで、極寒の中、助けを求めに乗り出した。

しかし、やっと見つけた一つ目の農場には誰もおらず、二つ目の農場は鍵が空いていなかった。

身を切るような寒さに耐えながらも、その後やっと、友人のワォーリー・ネルソンさんの自宅を見つける。彼女は、何度も転び、地面を這いながら家の近くまで進むことができたが、惜しくもそのまま目を開けた状態で力尽きてしまう。

さらにそれから6時間後。玄関の前でようやく見つけられることとなる。

しかし、すでに氷の彫刻のように固まっており、その見開いた目はガラスのようだったという。発見者のワォーリーさんは「完全に死んでいると思ったよ」とコメント。

搬送先のホストン病院では、医師たちによる懸命な治療が施されていたが、注射針が通らず、薬も投与できなかった。さらに、彼女の体温は27℃という超低体温で、誰の目から見ても絶望的な状態であった。

しかし、その後、心臓が微動だが動き始め、浅い呼吸が少しずつ繰り返されるようになったという。医師たちは引き続き、彼女の体に酸素を送り、機械で体を温める治療を行った。「みんなで娘の手を握り、生きて戻ってきてくれることを祈りながら、名前を呼び続けました」と母バーニースさんは語る。

 

その後、家族の祈りが通じたのか、少しずつ体を動かせるほどにまで順調に回復していった。これを見て担当医たちは「これは奇跡としか言いようがないよ。特に特別な治療をしたわけでもなく、さらには、命の危機から足の切断も考えたんだけど、それも必要なかった」と驚きの表情を隠せなかった。


その後、49日間の入院の末、全快したジャンさんはようやく家に帰されたのだった。

近年ではこれに近い体験した人物が2015年にも発見されている。当時25歳のジャスティン・スミスさんはペンシルバニアで遭難。12時間後ようやく発見されたが、その時の体温はわずか20℃しかなかったという。その後、命は取り留めたものの、凍傷のため足のすべての指を切断しなければいけなかったそうだ。

氷のように固まっても、どこも失わずに生還したジャンさんの「奇跡」は想像以上だ。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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