1999年7月、米カリフォルニア州で屋外での法輪功の気功動作を実践する人々(Getty Images)

北朝鮮で法輪功が流行「干ばつに降る雨」=報道

世界100カ国以上に広がりを見せている中国の伝統的修煉法・法輪功は、北朝鮮にも伝わっている。米政府系メディア、ラジオ・フリー・アジア(RFA)が5月17日、北朝鮮の情報筋の話として、法輪功学習者が国内でも急増し平壌で政府高官やその家族も学んでいると報じた。北朝鮮当局は体制の脅威とみなし、4月1日には100人以上を逮捕した。それにもかかわらず、学習者が増えているという。

情報筋の話によると、どのようにして法輪功が伝わったのかは定かではないが、中国と北朝鮮を行き来する貿易当局の関係者によって広められた可能性があるという。「干ばつの時に降る雨」のように、北朝鮮の人々は絶望のさなかに希望を見出したように関心を寄せている、と情報筋は話した。

「中央貿易機関は平壌に集中している。最近の中国と北朝鮮の貿易関係が活発になるにつれて、法輪功は貿易関係者を通じて平壌に広がり始めたのでは」と推測している。この内部情報筋によれば、法輪功は神秘的で人気があり、国内で急速に広がっている。

法輪功は90年代に中国で人気を博した気功法で、「真、善、忍」に基づいて心身修煉を行う。中国体育総局によれば、98年には学習者が7000万人に上った。

99年に当時の江沢民国家主席が法輪功に対する弾圧を決定し、迫害は今も続いている。法輪功情報サイト・明慧ネットによれば、2019年5月までに、身元が確認できた人物に限り、少なくとも4304人が迫害で死亡した。多くの学習者は法的な手続きなしに逮捕され、有罪判決を受け、収監先で拷問などの被害に遭っている。

この北朝鮮の情報筋によれば、平壌での広がりは当局の予想を上回るスピードで、4月からの取り締まりで100人以上が逮捕された。いっぽう、取り締まりは逆効果になり、法輪功はますます人気を得ているという。

こうしたなか、警察当局は、法輪功の学習者に自己申告するよう告知した。情報筋によれば、申告していない学習者に厳罰が下されるという。「平壌以外の地区でも多くの法輪功学習者が逮捕されている。彼らには、苛酷な労働教養を命じられるだろう」とその情報源は付け加えた。

RFAは、この問題に詳しい2人目の情報筋の話として、法輪功の抑圧は難しいと述べた。「中国政府でさえ取り締まることができない法輪功が、現在、長らく(金)一族により独裁体制にある国家で流行している」と、その広がりを認めた。

国際人権NGOフリーダムハウスは2017年「中国精神の戦い」で、中国共産党によるチベット密教、イスラム教、仏教、道教、キリスト教、法輪功の信仰弾圧について報告した。報告では、法輪功は中国共産党に弾圧されているにもかかわらず、中国国内外で学習者が信仰を続けており、「迫害は失敗している」と結論付けた。

いっぽう、カナダ弁護士らによる国際的な調査によれば、気功修練で健康的な体を持つ法輪功学習者は、多くの国内外の臓器移植希望者のための強制的な「臓器供給源」となり、臓器を強制的に抜き取られ、証拠隠滅のために殺害され、巨額の利益を生む臓器ビジネスの犠牲となっている。

北朝鮮の憲法は、人々の信仰の自由があると記しているが、すべての教会や寺院は国が管理しており、思想活動の自由はない。米国を拠点とする非政府組織である「北朝鮮の自由(LiNK)」は、宗教は北朝鮮にとって体制の脅威であると見なされているという。

2014年の国連のデータは、人口2500万人の北朝鮮のなかで、宗教的信念を持つ人の割合は、1950年は約24%、2002年は0.016%まで激減した。オックスフォード大学による宗教調査によると、60年代に金日成が政権を握って以降、朝鮮戦争や共産主義の拡大を理由に、キリスト教や仏教など宗教は弾圧され、「世界で初めて宗教を全滅させた国」とも形容されている。

(編集・佐渡道世)

関連記事
中国の中南大学湘雅第二病院に勤務していた羅帥宇氏が、不審な死を遂げた。生前の録音から、同病院が臓器移植研究のために子供のドナーを求めていた可能性が浮上。彼の家族は、羅氏が病院告発を計画していたことから口封じされたと主張している。
新築ホテル泊まったら内装のにおいがひどかった。滞在翌日子どもが川崎病を発症。ここでも、工事をした業者と管轄政府部門との癒着、賄賂などの存在があるに違いない。公式見解ほど、真実を覆い隠す「嘘」であるということだろう。一般人にできることは、新築ホテルには泊まらないことだ。
子どもは家族を従わせるための「人質」にされる。中国で子を持たないのはある意味「勝ち組」。そして子が産まれなくなるのは、滅びへの原初的第一歩。生まれても不幸にしかならないのなら、誰でもそうする。
まるで凶悪犯扱いの、中国の駅での恐怖な「安全検査」 恐怖を抱くものは、正常ではないというが、まさに。
攫われた子どもたちはどこへ? 中国に存在する「乞食ビジネス」の闇 共感を感じるというミラーユーロンが変異したか消えてしまった非人間の悪行は留まる所を知らない。どうすれば、人間でいられるのだろうか? 中共という闇の根源を実歴史の教訓としなければならない。