令和 国民文化としての新元号
日本は新たなる元号を、その時代とともに迎えた。
年号という言い方もあって、古来ほぼ同義とされてきたが、日本では、明治の御世から一世一元が定まったため、元号というのが通例である。
中国においては明代から一世一元となったので、わずかに例外はあるものの、明の太祖・洪武帝から清朝最後の宣統帝まで、六百年ちかくこの制度は続く。例外とは、明の英宗が2度即位したことと、清の太宗がその治世のなかで二つの元号をもったことをいう。もちろん一世一元ではない元号は、前漢の武帝のころ(紀元前140年)から存在する。
今日の大陸中国では、元号に相当するものはない。西暦の数字を記号化したように2019(アルリンイージュウ)と無感情に棒読みするだけである。確かに西暦は機能的で、はてあれは何年前だったかなと記憶をたどるときなど、日常的に使うには便利であろう。しかし、字義をもたない数字による西暦は、便利さ以上のもの(例えば、理念や連帯感)にはなり得ない。
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