アリババ集団の馬雲会長はこのほど、長時間勤務制度「996制」について肯定的な発言をした(余剛/大紀元)

長時間労働支持のアリババジャック・マー会長、釈明追われる

中国ネット通販最大手、アリババ集団の馬雲(ジャック・マー)会長がこのほど、長時間勤務体制を支持する立場を示し、物議を醸した。マー氏は批判を受け釈明に追われている。

中国メディア「捜狐科技」12日付の報道によると、馬会長は11日、社内のイベントに出席した際、「今日、中国3大IT会社のBAT(百度、アリババ、テンセント)が996勤務制度を実行できたのは、われわれが修めて得た恵みが関係していると思う」と話した。「996制」とは、午前9時から午後9時までの週6日勤務体制のこと。

BATを含めて、京東集団(JDドットコム)、小米科技(シャオミ)など、現在中国国内IT企業80社以上が「996制」を実施している。

馬会長は「ぼう大な代償を支払ってこそ、将来は報われるのだ。代償を支払わなければ、報われることはない」とも発言した。

12日、馬会長は再度中国版ツイッターの微博に投稿した。「いかなる企業も、社員に996制を強制してはいけない」が、「若者は、幸せとは自らの努力によって得られるものだと理解しなければならない」と書き込んだ。

インターネット上では、馬会長のコメントについて批判の声が高まった。ネットユーザーは、著名企業家である馬氏の言論は、従業員に「996制」を強いるよう他企業のトップを後押ししたと指摘した。

世論の批判を受け、馬雲会長は14日、微博を通じて、「996制は非人道的で、不健康で長続きしないだろう」と、これまでの論調を変えた。

中国では4月初めから、一部IT企業の従業員は、過酷な労働環境に抗議し、ネット上でプラットフォーム「996.ICU」を立ち上げた。996制で勤務すると「ICU(集中治療室)」に搬送されかねないという意味だ

4月16日時点で、同サイトは22万人以上のネットユーザーに支持されている。

(翻訳編集・張哲)

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