中国当局は、海外ソーシャルメディアであるツイッターを利用する市民への取り締まりを強化している(Bethany Clarke/Getty Images)

ツイッター閲覧の江蘇省高官を処分 「いいね」もダメ 中国の異常な言論統制

江蘇省蘇州市ラジオ・テレビ総台(国営地方放送局)の制作部門の副責任者・朱誠卓氏が4日、ツイッターを閲覧したとして、同局から免職と降格処分を受けた。警察当局からも取り調べを受けた。

処分の通達は、同氏がツイッターのアカウントを開設し、「長い間、海外違法ウェブサイトの有害情報を閲覧してきたため、政治規律と政治規範に大きく違反した」とした。同放送局は、朱氏に対して、免職・降任および減給の処分を行った。

朱氏は、「総局全メディア編集センター番組副総監」を務める高級幹部。

また、浙江省海寧市司法局は3月20日、同省弁護士の竺修遠(ジク シュウエン)氏が「ツイッター上で、党と国家指導者を侮辱する書き込みについて『いいね』を押した」として処罰した。

竺弁護士は、米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)10日付に対して、「ツイッターで習近平国家主席に関する動画をみただけだ。動画の内容は問題がないが、タイトルは習主席のことを少しからかっていたかもしれない。そこまで細かく見なかった」と述べた。

竺弁護士は、今後ツイッター上で党と国家指導者に関する書き込みをしないという念書を書いた。竺氏は恐怖のあまり、「ツイッターを使う勇気はもうない」と話した。

中国当局は昨年下半期以降、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)を利用して当局の検閲や監視を迂回し、海外ウェブサイトにアクセスするネットユーザーへの取り締まりを強めた。

VOAは、言論統制の対象が、反体制の活動家から一般ネットユーザーに拡大したとの見方を示した。またVOAは今後、取り締まりは海外まで広がる可能性があると指摘した。

中国版ツイッターの新浪微博は8日、「3月21日から27日まで、同社は政治情勢に関して有害な情報を広めた一部のアカウントを一時閉鎖、または完全に閉鎖する措置を取った」と発表した。対象のなかには、数十万から数百万人のフォロワーを抱える有名オピニオンリーダー50人のアカウントが含まれている。

(翻訳編集・張哲)

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