中国の国有大手企業5社は8月12日米国での株式の上場を廃止すると発表した。中国関連企業の株価は急落している。写真はイメージ(AFP/Getty Images)

中国株、海外勢による大規模な売り越し 調整局面入りとの見通し

27日の中国株式市場は3日ぶりに反発した。主要株価指数の上海総合は前日比25.62ポイント高の3022.72ポイントを付け、節目の3000台を回復した。しかし、アナリストは、25日の外国人投資家による100億元以上の売り越しで、中国株が調整局面に入ったとの見方を示した。

ブルームバーグ(25日付)がまとめたデータによると、外国人投資家は25日、108億元(約1765億円)の中国本土株を売り越した。2016年12月、香港と深セン市場の株式相互取引が導入されて以来、最大の売り越しとなった。

外国人投資家の大規模な売り越しによって、25日上海総合の終値が3100ポイントを割り込んだ。26日、上海総合が続落し3000台を下回り、前日比1.51%安の2997.07ポイントで取引を終えた。

中国経済情報サイト・華爾街見聞は26日、中国国内証券アナリストの寄稿を掲載し、今後中国株市場の見通しについて悲観的な見方を示した。

記事によると、25日の外国人投資家の売り越し金額は、1990年代中国本土株式市場の開始以来、2番目の大きさだという。

また記事は、過去の記録にさかのぼって、1日の外国人投資家による売り越しが40億元(約653億4900万円)を超えた回数は10回しかないと指摘した。10回のうちの5回は、2015年の株暴落の時期に起きた。記事は2015年以降の4回について分析した。

この4回の海外勢による売り越しは、2016年に1回と2018年に3回発生した。2018年の3回は株価相場に大きな影響を与えたという。

外国人投資家は2018年2月6日に97億9300万元(約1600億円)を、同年10月8日に97億1600万元(約1587億3200万円)と12月6日に42億6000万元(約696億円)を売った。「海外勢の売り越しが発生するたびに、A株式市場の相場が急落した」という。

2018年12月28日の上海総合終値は前年末比で24.6%安と大幅に下落した。

記事は、これまでの外国人投資家の売りを振り返り、今後の見通しに関して「ぶるぶる震えてきた」とした。海外勢は3月6日以降、今までの買い越し姿勢から売り越しに転じた。

中国株式評論家の水皮氏はこのほど、中国メディア・華夏時報に寄稿し、年初から上昇し続けた中国株が、調整局面に入ったとの見方を示した。水皮氏は「この2週間、上海総合が3100台でもみ合いになっている。この状況の下で、25日海外勢が大規模な売り注文を出したことは、中国国内投資家が目にしたくない相場の調整が始まったことを意味する」とした。

ブルームバーグは香港金融サービス会社、KGIアジアのアナリストの分析を引用し、中国経済失速に対して「外国人投資家たちはリスク回避姿勢を強めている」とした。「投資家は不確実性を回避するために、(中国株が)大幅に上昇した後、利益確定のために売った」

中国国家統計局は27日、1~2月の工業部門企業利益が前年同期比で14%減少したと発表した。ロイター通信が2011年10月に同統計を記録開始以来、最大の落ち込みとなった。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。