2018年上海国際モーターショーに展示された吉利汽車の車(大紀元資料室)

18年中国自動車販売が不振、吉利汽車12月販売台数44%減

中国の2018年の新車販売米中貿易戦内需低迷の影響で不振だった。国産自動車最大手の吉利汽車は昨年12月の新車販売が前年同月比で44%急減した。業界関係者は自動車販売の不振は2019年も続くと予測する。

中国国内紙・華爾街見聞8日付によると、吉利汽車は7日、昨年1年間の販売状況を公開した。

同社によれば、昨年12月グループ全体の中国市場での販売台数は8万6298台、前年同月比で44%減った。昨年1年間の総販売台数は150万838台、前年比では約20%増となったが、2018年販売目標である158万台には届かなかった。

また、同グループが2018年12月の総販売台数(グループが50%株式を保有する合資企業が販売するブランド、リンク・アンド・コーの販売台数を含む)は9万3333台で、前年同月比39%減で、前月比で34%減となった。

同社は、中国自動車市場の不確実性が拡大しているとして、2019年の販売台数目標を151万台に引き下げた。

この影響で8日の香港株式市場で吉利汽車の株価が急落し、終値は前日比11%安の1株=10.22香港ドルを付けた。

米金融大手モルガンスタンレーは3日、中国の内需縮小で今後中国自動車メーカーの売上げが低減すると予測し、吉利汽車の株価評価をこれまでの「ニュートラル」から「アンダーウェイト」に下方修正した。これを受けて、吉利汽車の株価は3日にも、同8%安と大幅に下落した。

新車販売の低迷などの影響で、吉利汽車の株価は昨年1年間で49%下落した。また、2017年11月22日付けた最高水準の1株=29.15香港ドルから約60%急落した。

吉利汽車は近年、積極的に海外自動車企業を買収している。2010年スウェーデン自動車メーカーのボルボ・カーズを買収し、英ロンドンタクシーを製造するロンドンタクシーインターナショナル(LIT)の株式を保有した。昨年2月ドイツ高級車メルセデス・ベンツの親会社ダイムラーの株式9.69%を所有し、同社の筆頭株主となった。ダイムラーの株価は独フランクフルト株式市場で、吉利汽車が株式取得以降、約30.5%下落した。

2019中国自動車販売が引き続き低迷

いっぽう、業界関係者は軟調な内需で、2019年販売台数の低迷は今後も続くとの見方を示している。

中国汽車工業協会(CAAM)が昨年12月に発表した統計によると、2018年1~11月までの中国自動車販売台数は2540万台で、前年同期比1.7%減となった。2018年1年間の販売台数については、同3%減との見通しだ。1990年以降、28年ぶりの減少となった。

CAAMは、2019年の自動車販売台数は前年比横ばいの2800万台と見込んだ。実質のゼロ成長だ。

中国全国乗用車市場情報連合会(乗連会)1月9日、2018年1年間の中国乗用車販売台数は、前年比6%減少の2270万台と発表した。乗連会は、米中貿易戦による国内自動車需要への影響が大きいとし、中国当局に内需刺激措置の実施を求めた。また、2019年の中国乗用車販売台数の見通しについて、同1.2%増と予測する。

海外専門家は、2019年中国自動車販売に厳しい視線を向けている。ブルームバーグ9日付によれば、米投資銀行大手ゴールドマンサックスは今週公表した見通しで、今年の中国自動車販売台数は同7%減との見解を示した。また、販売不振は2020年まで続くが、2020年に回復する。2020年の販売台数は同3%増になると推測した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]