高血圧治療薬、中国製原料に発がん物質 日本など8カ国が自主回収

欧州薬品管理局(EMA)が5日、中国製薬会社の華海薬業が生産したバルサルタンに、発がん物質のN―ニトロソジメチルアミンが混入されていると発表した。バルサルタンは、高血圧の治療薬の原薬だ。

ドイツ、イタリアなど欧州5カ国と韓国、台湾、日本では、同関連医薬品の自主回収が相次いだ。

国際がん研究機関(IARC)は、N―ニトロソジメチルアミンの発がんリスクについて、グループ2A(ヒトに対して恐らく発がん性のある)に分類している。

日本各メディアの報道によると、EMAの発表を受けて、6日製薬会社の「あすか製薬」は、2014年~17年までに国内の病院や薬局に出荷した高血圧治療薬「バルサルタン錠『AA』」の4種類の約1300万錠を自主回収すると公表した。

台湾医薬品管理当局、食品薬物管理署は7日、6種類の高血圧治療薬の販売を停止すると発表。

一方、中国製原薬の最大輸入国である韓国は大きな影響を受けた。

韓国紙・朝鮮日報(11日付)など複数のメディアによると、韓国政府は、中国華海製薬が製造した原料を使った115種類の高血圧治療薬の販売を禁止した。同国の保健福祉省は、販売禁止となった治療薬を服用している患者数は約18万人いるとしている。患者の間で不安が高まっている。

販売禁止措置は、韓国製薬会社の収益に大きな打撃を与えるとみられる。同国では、中国の華海製薬に対して損害賠償を求めるべきだとの声が上がっている。

(翻訳編集・張哲)

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