7日、道路が冠水した広島県内の道路(GettyImages)

西日本で猛烈な雨 160万人に避難指示 8日まで前線停滞

7月5日から、日本を帯のように横に覆う前線の活動が活発になったため、西日本を中心に、記録的な大雨が発生している。政府によると死者4人、心肺停止6人、また行方不明者2人となっている。一部報道によると、行方不明者は40人近くに上る。消防庁は西日本の22府県に70万世帯160万人に避難指示を出した。

気象庁によると、7日午前5時までの24時間に、福岡県添田町で374.5ミリ、広島県東広島市で327.0ミリ、兵庫県養父市で252.5ミリの雨量を観測し、それぞれ7月の月平均値を超え観測史上1位の値を更新した。

8府県に出ていた大雨特別警報は7日午後までに一部解除されたが、岡山県、兵庫県、京都府、岐阜県は同日18時時点も継続している。前線は8日まで西日本に停滞し、ゆっくりと東日本から北日本へ北上する。

8日までの予想雨量は、多いところで四国・九州北部は300ミリ、東海・九州南部は250ミリ、中国・近畿・北陸で200ミリとなっている。

政府は5日に関係省庁で災害警戒会議を開き、7日には同局長級会議、閣僚会議が開かれ、安倍首相は「人命第一の方針の元、救助部隊を遅延なく投入し、被災者の救命、救助に万全を尽くすこと」「先手先手で被害の拡大防止に万全を期すこと」「地方自治体と緻密に連携して住民の避難、被災者の生活支援、ライフラインの復旧などにあたること」を指示した。

消防庁は関西2府と九州を中心に、避難指示69万世帯161万人、避難勧告を129万世帯300万人に発表した。広島だけで避難指示、避難勧告合わせて105万世帯に発令されている。

総務省によると、NTTドコモの59局、KDDI(au)の78局、ソフトバンクの77局が停波し、携帯電話がつながらない状態が発生している。大手SNS・Twitterは、救助を求める被災者に向けて、ハッシュタグ#救助を利用し、被災状況の写真などを掲載して救助サインを示すよう促している。

警察庁は1万6500人、消防庁は3万人、防衛省は600人(待機人数約2万1000人)の人員を投入して、災害対応に当たっている。海上保安庁は巡視船3隻で状況調査や行方不明者捜索、警察官搬送を行っている。

(編集・甲斐天海)

関連記事
現在、フランスで開催中のラグビーワールドカップ。その会場でも、日本人サポーターによる「試合後のゴミ拾い」が、模範的な善行として話題に上っている。
東京都内のマクドナルドの店舗で撮られた「T字型のイス」の写真が、ツイッターなどSNS上で話題になっている。台湾 […]
秋葉剛男国家安全保障局長は8月17日、中国・天津で中国外交担当トップの楊潔篪(ようけつち)共産党政治局員と会談 […]
大阪港湾局が昨年12月に武漢新港管理委員会とパートナーシップ港提携に関する覚書(MOU)を締結した問題をめぐっ […]
岸田文雄首相は4日、ウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、同国の要請を踏まえて自衛隊が保有する防弾チョッキやヘルメット等の装備品を提供する方針を伝えた。欧州最大規模の原子力発電所に対する攻撃について「最も強い言葉