米追加関税を批判する中国がブーメラン

米政府は貿易の不均衡を是正するため、中国製品に対して追加関税賦課など制裁措置を強化した。中国政府系のメディアは米政府が貿易戦を引き起こした張本人だと非難した。しかし、中国人ネットユーザーは、当局の批判は論理が破綻しているとし、「おかしくて、笑いのネタ」と一蹴した。

中国共産党機関紙・人民日報は23日、ソーシャルメディア「微博」で、「米が対中貿易戦を起した」と題する記事を掲載し、「智者建橋、愚者建墻(智者は橋を、愚者は壁を建てる)」とトランプ政権を非難した。

しかし、中国人ネットユーザーは「愚者が壁を建てるなら、(ネット検閲のための)防火墻(グレート・ファイアウォール)は?まずいよね?」「特大ブーメランを食らったな」などと皮肉ったコメントを書き込んだ。

その後、人民日報は同記事を削除した。

中国当局は米中貿易戦がぼっ発すれば、「最後まで戦う」と強気な姿勢を見せている。同時に、米国側に対して「懸崖勒馬(危険の一歩手前で踏みとどまる)」を求め、中国への制裁は「石で相手を攻撃しようとしたが、逆に石を自分の足に落としたことになる」と警告した。米中貿易戦で最終的に損失を受けるのは米国だと米政府を諭した。

あるネットユーザーは「天問」と題する記事を投稿し、質問形式で当局の反米宣伝をあざ笑った。

「1つ目、米国が石で相手を攻撃しようとしたが自分の足に落としたなら、なぜ抗議する必要がある?米国が損失を受けるなら、それを喜ぶべきではないか?」

「2つ目、米国に懸崖勒馬と警告した。米国はすでに崖っぷちに立たされているなら、なぜ踏みとどまるよう、よび掛けるのか?」

「3つ目、米国が貿易戦を起した結果、米国国民が最終的に損失を受けるのなら、なぜやめるよう説得する必要があるのか?」

「4つ目、今日のニュースで、貿易戦が始まったら、中国は最後まで戦うと応戦した。米国の利益を損なうことになるのであれば、なぜ戦う必要があるのか?」

(翻訳編集・張哲)

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