【日本語に生きる中国故事成語】

実はプラス思考の表現だった「鳴かず飛ばず」

プロの世界で名を成すことのできる人は、ほんの一握りです。甲子園を沸かせ、鳴り物入りでプロに入りながら、「鳴かず飛ばず」で終わった選手は珍しくありませんし、演歌の世界では、今では大御所といわれる人であっても、その多くが「鳴かず飛ばず」の苦しい下積み生活を経験したことがあるようです。

「鳴かず飛ばず」とは、現代日本語ではこのように、成功を目指していながらも長い間何の活躍もなく目立たないという、マイナスの意味で使われますが、本来は、次の故事にあるようにプラス思考の表現でした。

春秋時代の楚の荘王(そうおう)は、即位して3年間、全く政治を顧みることもせず、日夜遊蕩にふけり、諫言する者は全て死に処すと宣言しました。ある日、家臣の伍挙(ごきょ)が荘王に、「丘の上に、3年間飛ばず鳴かずの鳥がいます。これは何という鳥でしょうか」と謎かけをしました。荘王は「その鳥は一旦飛べば天に届き、一旦鳴けば人を驚かせるだろう。お前の言いたいことはわかった」と答えました。

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