南京市で大規模な抗議デモ、投資サイト取り締まりに強い不満

中国当局がこのほど、国内オンライン投資サイト「銭宝網」を突然「ねずみ講」と決め、同社創業者を逮捕したのを受けて、江蘇省南京市で投資家数千人が抗議デモを起こした。投資家らは、同サイトの閉鎖によって巨額な損失を被ると訴えた。江蘇省当局はデモ鎮圧のため、省内各地から新たに6000人の警官を確保した。

中国各メディアによると、22日と23日、江蘇省省都の南京市にある省政府や市政府建物の前に、「銭宝網」の個人投資家とみられる住民らが続々と集り、当局の同サイトへの取り締まりが「不当」だとして、創設者の釈放を求めた。

インターネット上で投稿された写真や動画では、政府機関に向かって行進していく抗議者に対して、地元の警察官らが押したり、行く手を阻んだりした様子が確認できる。一部の抗議者が警察に強く押されて地面に倒れたような場面があった。

国内誌・財新週刊の最新報道によると、当局が「銭宝網」系列の投資会社がこれまで、総額700億元(約1兆1900億円)の資金を不法に集めたと指摘した。昨年12月、創設者の張小雷氏はすでに南京市公安当局に自首した。

各メディアはこのほど、連日、同投資事業実態は「ねずみ講」で、創業者の張小雷氏が「最も悪名の高いペテン師」だと批判した記事を掲載した。

「銭宝網」の公開情報によると、同サイトの登録利用者が2億人、取引総規模500億元(約8500億円)以上。個人投資家から集められた資金を、サッカークラブやグリセリン生産工場などの企業投資に運用している。

しかし、南京市警察当局は、同社の投資実績がなく、年率40%以上との高い収益率で投資家を引き付け、新規口座を開設した投資家から集めた資金を、既存投資家の元金や収益に充てているだけだとした。創業者が自首後、同サイトは事実上、運営停止になったため、未償還の元本総額は300億元に達し、数百万人の投資家に影響を及ぼしているという。

一方、22日の抗議デモに参加した投資家は、当局の突然の取り締まりに納得せず、反発している。

7年前から「銭宝網」に投資し始めた江西省出身の張さんは、「南京市警察当局が取り締まりを始める前まで、7年間も投資してきたけど、(投資の)損失はなかった。去年末北京に行って、中央政府にサイト運営の継続を陳情したけど、応じてもらえなかった」と述べた。

また、同サイトで3年間資産運営を行ってきた朱さんによると、「銭宝網」が創立した当時、地方政府の高官らに支持されていたほか、国営中央テレビを含む国内メディアが「銭宝網は優秀企業だ」と大いに宣伝を行っていた。

「私たちは政府やメディアの宣伝を信じて、投資を行っただけ。なぜ、今突然違法だと言い出すのか。当局に、サイト運営停止後、われわれの損失を誰が補てんしてくれるのか、説明してほしい」。

朱さんは、「政府が取り締まりに踏み切ったのは、収益のよいこの投資サイトを占有しようとする思惑があったかもしれない。なぜなら、取り締まる前、われわれ投資家から証言を取ることもなく、調査もしていないからだ」と当局の対応に強い不信感を表した。

22日、抗議デモの参加者によると、警察官らがデモ鎮圧の際、一部の住民を殴打した。

南京市警察当局は23日、デモ参加者11人を身柄拘束したと発表した。

また、デモ規模の拡大を警戒した南京市警察当局はすでに、省内各地から新たに6000人の警察官を動員し、待機させている。警察官らは、催涙弾や小型消火器などの携帯を命じられたという。

(記者・駱亜、翻訳編集・張哲)

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