国会議員スパイ疑惑 NZ首相、帰化申請見直しを言及

ニュージーランドのビル・イングリッシュ首相(国民党党首)は15日、スパイ疑惑を報じられた現職国会議員で中国出身の楊健氏(国民党選出、55)について、楊議員が2004年に提出したニュージーランド国籍帰化申請内容を見直すと明らかにした。地元紙・ニュージーランド・ヘラルドが報道した。

英紙・フィナンシャルタイムズとニュージーランドメディア「ニュースルーム」は14日の報道で、楊氏は帰化申請の書類や選挙プロフィールで、人民解放軍の軍事教育機関での経歴を意図的に隠ぺいしたと指摘した。

ニュージーランド・ヘラルド紙は、帰化の際に偽りの申請内容を提出したことは重大な違法行為で、政治問題でもあるとの見方を示し、今後楊議員が国内法の下で処罰される可能性に言及した。

ニュージーランドメディアによると、楊氏が2011年11月に国会議員に初当選し、12年2月16日に国会で初めてスピーチを行った。その際、楊議員は自身の経歴について、中国国内での出身校や職歴などを述べることがなかったという。

またスピーチの中で、楊氏が1989年に中国当局が民主化を求める学生らを武力鎮圧し、多くの死傷者を出した「六四天安門事件」について、「学生によるデモ」と表現したという。楊氏は「天安門事件」後、米国への留学を断念し、94年にオーストラリアに渡ったと説明した。 

一方、楊議員は疑惑について、人民解放軍との関係を否定した。また、留学申請時、軍と無関係の学校名を使用したが、それは当局の規定に基づいた行為だとした。

駐オーストラリア・シドニー中国領事館の陳用林元一等書記は、「現役軍人だけではなく、軍事教育機関で長年教職を務めてきた人も、中国当局の指示がなければ、勝手に出国できない」「スパイ養成の軍事学校の教師なら、ある程度の軍事秘密を知っている。秘密漏えい防止の観点から、当局は個人的な理由による海外渡航を認めるはずがない」と分析した。

陳用林氏は、楊氏は中国当局に派遣された可能性が高いとの見解を示した。

(翻訳編集・張哲)

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