中国経済
中国大手鉄鋼メーカー、3兆円の負債で本社を競売に
資金難に陥っていた中国国有独資の天津渤海鋼鉄集団(以下、渤海鋼鉄)はこのほど、当局により、天津市平和区の自社ビルを競売に掛けられることが明らかになった。同社は2016年3月、債務規模が約2000億元(約3兆2800億円)に達し、債務不履行(デフォルト)の可能性が高いと報じられた。渤海鋼鉄は14年と15年に、米経済誌「フォーチュン」が発表する世界500強企業にランクインした。
当局発表によると、競売は8月25日午前10時から始まる。開始価格は3億5000万元(約57億4000万円)。
渤海鋼鉄は2010年7月、天津市党委員会、市政府の主導の下、天津鋼管集団や天津鉄鋼集団など大手鉄鋼メーカー4社を統合し設立された巨大な国営企業だ。年間粗鋼生産量は2000万トン以上だ。
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中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄集団と武漢鋼鉄集団は6月26日、両社は戦略的再建について協議をしていると公表した。これを受けて、上海証券取引所は27日に両社の上場部門の株式売買を停止した。
中国当局が公表した経済統計に関して、海外メディアや専門家は絶えずその信ぴょう性に疑問視してきた。国際環境保護団体グリーンピース東アジア支部と中国鋼鉄市場情報サイト「中国聯合鋼鉄網」がこのほど共同発表した調査報告によると、中国当局が昨年国内の鋼鉄生産能力を8500万トンと大幅に削減したとしたが、実際にこの数字の大部分はごまかされていると指摘した。米紙「ワシントンポスト」が2月13日に報じた。
中国各省政府がこのほど公表した2017年固定資産投資目標では、総規模が45兆元(約765兆円)以上の見込みになるとみらえる。専門家は、中国当局が、不動産バブルや企業負債急増などを招いた経済刺激策を、再び講じようとすることに強い懸念を示した。