胡錦濤前主席、「誤りの修正が必要」江派の影響力の除去を進言

2017年秋に開催予定の中国共産党第19回大会「19大」を控え、習vs江の政治闘争が一層激化している。香港の雑誌『争鳴』6月号によると、中国の胡錦濤前国家主席は習近平政権に、江沢民元主席による2つの思想を中国共産党の党章(規約)から削除することを提案したという。胡氏が江派の影響力を除去するよう、習政権に助力したと見られる。

報道によると、中共中央政治局拡大会議が5月10日から11日まで中南海で開催された。胡氏をはじめ、温家宝前総理、朱鎔基元総理、宋平元常務委員など引退した元最高指導部幹部らが参列した。江氏と李鵬元総理は健康を理由に、曽慶紅元国家副主席と賀国強前常務委員は私事との理由で同会議を欠席した。

胡氏は会議で、習政権が発足以来の成績、特に汚職撲滅対する取り組みを高く評価した。胡氏はまた、仕事のなかで「誤りの修正」が必要だと述べ、「時代の発展と国情にかなわない国策」を修正しなければならないと指摘。中央政府に押し入れた「3つの代表」と「科学的発展観」を削除することを提案した。

▶ 続きを読む
関連記事
世界鉄鋼協会は、中国の鉄鋼業で長年の課題である過剰生産が一段と深刻化していると指摘した。背景には、生産削減が地方経済や雇用に打撃を与える構造的問題がある。
中国軍機による航空自衛隊機へのレーダー照射問題をめぐり、中国共産党当局が訓練開始を事前に自衛隊へ通告したと主張し、当時のやりとりとされる音声を公開したことについて、元参院議員の「ヒゲ隊長」こと佐藤正久氏が10日、自身のX(旧ツイッター)で「積極的に正当性をデータで主張すべき」「これは情報戦」との見解を示した
中共当局が訓練の開始を自衛隊に事前通報した際のやりとりを公開したことについて、小泉防衛相は10日「事前に通報されてない」と反論。長時間にわたりレーダー照射を受けるという緊張を強いられる状況で、冷静に任務を遂行した自衛隊パイロットらを「誇りに思う」とも語った
中国SNSの異常な「緩さ」と、現実での当局の異常な「怯え」。 これは検閲の「ほころび」か、それとも「罠」なのか?
中国軍の艦載機が2度にわたりレーダーを航空自衛隊の戦闘機に照射した問題について、海外の専門家は「戦争前段階の挑発」と指摘し、「軍事的な偶発衝突のリスクを生む非常に不合理で遺憾な行為だ」と語った。