胡錦濤前主席、「誤りの修正が必要」江派の影響力の除去を進言
2017年秋に開催予定の中国共産党第19回大会「19大」を控え、習vs江の政治闘争が一層激化している。香港の雑誌『争鳴』6月号によると、中国の胡錦濤前国家主席は習近平政権に、江沢民元主席による2つの思想を中国共産党の党章(規約)から削除することを提案したという。胡氏が江派の影響力を除去するよう、習政権に助力したと見られる。
報道によると、中共中央政治局拡大会議が5月10日から11日まで中南海で開催された。胡氏をはじめ、温家宝前総理、朱鎔基元総理、宋平元常務委員など引退した元最高指導部幹部らが参列した。江氏と李鵬元総理は健康を理由に、曽慶紅元国家副主席と賀国強前常務委員は私事との理由で同会議を欠席した。
胡氏は会議で、習政権が発足以来の成績、特に汚職撲滅対する取り組みを高く評価した。胡氏はまた、仕事のなかで「誤りの修正」が必要だと述べ、「時代の発展と国情にかなわない国策」を修正しなければならないと指摘。中央政府に押し入れた「3つの代表」と「科学的発展観」を削除することを提案した。
当時の江沢民政権は「3つの代表」及び「科学的発展観」を党紀に加えた。「3つの代表」とは、「中国の先進的な社会生産力の発展の要求」「中国の先進的文化の前進の方向」「中国の最も広範な人民の根本的利益」とされるが、発表された当初から形式的なスローガンなどとして疑問視されてきた。
胡氏は2002年から2012年まで国家主席を務めたが、江氏の「長老政治」(引退した元幹部が政治に介入する)により、実権を握ることができなかった。胡氏は2012年11月の第18回大会「18大」で、「裸退」といった完全退任で、実権を習氏に渡し、「長老政治」に終止符を打とうとした。それ以後も、胡氏は江沢民勢力に打撃を与え、習氏と連盟を強めている。
(翻訳編集・王君宜)