反骨のルポライター・杜斌氏(上)中国の暗部にこそ伝えるべき中国の真実の姿がある
江沢民が推進した社会主義市場経済は中国を一大経済大国に押し上げたが、一方で深刻な格差の拡大、極端な利益至上主義の蔓延といった現象をもたらした。そんな中、物質的繁栄の追及が世相とも言える現代中国で、さまざまな権利をはく奪され、大衆から侮蔑され、国家から危害を加えられても不屈の精神で立ち上がってきた人々を追い続けている中国人がいる。反骨のルポライター・杜斌氏のことだ。
共産党政権の統治下で、ほとんどの中国人が妥協と沈黙を選択するなか、杜氏は自身の権利を守るため果敢に立ち上がった勇気ある人々を記録し続けてきた。
杜氏は私たちに、国営メディアの報道からは決してうかがえない中国の姿を見せてくれた。杜氏の撮影した数々の写真は、見る者に強烈な印象を与える。
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中国の実業家は最近、外国人から「中国はどのメディアが一番正しいか」という質問を投げかけられたが、いまだに答えられないことを、自身のミニブログ・微博に明かした。この発言は、ネットで話題となり、報道のあり方について、有識者を巻き込んで議論に発展した。
習近平総書記の過去の内部談話の全文が、最近相次いで公表されている。江沢民派の支配下にある報道機関が度々その重要発言を歪曲して報道することへの対策とみられる。
ジャーナリズム学科のある中国の大学は近年、外国人教師を積極的に受け入れている。なかには元記者や現職ジャーナリストである人物も少なくない。そのため、彼らが中国で教壇に立つとき、中国当局の意向に従うか、「ジャーナリズムの原則」を尊重するかの選択を迫られる。