ある日本人が教えてくれた、相手の長所を学ぶということ

私には、師と仰ぐ日本人がいる。22年前、私の勤務する深圳の会社に、会社のマネジメント方法を改善するため、三辺成雄さんという人がやってきた。社会通念や習慣の違いから、三辺さんと会社の上層部は衝突を繰り返し、毎日のように激しいやりとりが繰り返されていた。議論が白熱してくると三辺さんは机をたたき激高することもあって、たいていの管理職や従業員から嫌われていた。だが、三辺さんが強力に指導したため、たった3カ月で業績は黒字転換し、会社は黄金時代に突入した。

三辺さんが会社にいたのはたった6カ月だった。三辺さんが在職していた時には、早く日本に帰ればいいのになどと言っていた従業員たちも、彼が去った後、「三辺さんがいればなあ」といって、当時を懐かしんでいた。これは管理職の面々も同じだった。私の人生も三辺さんから大きな影響を受けたと言える。三辺さんから教えられたことは今でもよく思い出す。そして私を育ててくれたことに感謝の念を禁じ得ない。

当時、三辺さんが私に語ったテーマで最も多かったのが、中国人と日本人の考え方や習慣の違いから生じる問題についてだった。

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