次回のプレミアムフライデーはお花見など屋外の行楽が重なる3月31日。写真は昨年4月、隅田川沿いで花見を楽しむ人々(牛彬/大紀元)

プレミアムフライデーの消費効果、中小自営業は期待薄=調査

経済産業省がよびかける月末最後の金曜日の早期退社促進運動「プレミアムフライデー」。23日に発表された、中小自営業者を中心としたアンケートでは、集客・販促の取り組みを「実施しなかった」との回答が9割にのぼり、今後の施策実施にも積極姿勢でなかったことが明らかになった。

1.集客・販促施策「実施していない」が9割超

プレミアムフライデー限定の集客や販促の施策を実施したかどうかについて質問したところ「実施していない」と回答した店舗が94.1%に上った。その理由としては「集客や売上の増加が期待できなかったから」「『15時退社』などの対応を実施する企業や団体が近隣になかったから」が多数を占めた。

2.当日の売り上げ「大きな変動なし」が約9割

実際に2月24日の売り上げが普段の金曜日と比べて変動したかについて、90.9%の店舗が「大きな変動なし」と回答。「増加した」と答えた店舗は2.4%にとどまった。

3.次回の集客・販促施策「実施予定」「実施検討中」はわずか約1割

次回(3月31日)以降のプレミアムフライデーで集客・販促を実施について、行う、あるいは検討している店舗は、合わせて10.4%だった。前回の2月24日で売上が増加したという店舗でも36.6%にとどまり、積極的ではないことが分かった。

3月23日に発表された「プレミアムフライデー」に関する調査は、国内大手口コミ情報サイト「エキテン」を運営する株式会社デザインワンが実施。2月28日~3月6日にインターネットを通じたアンケート調査を行い、中小自営業者を中心とする3524店舗から回答を得た。

博報堂「プレミアムフライデー事務局」調査では異なる結果

いっぽう、3月15日に発表された、経済産業省が同運動普及を委託した博報堂の「プレミアムフライデー事務局」によるインターネット調査では、今回とは異なる結果となっている。

同事務局の調査は「プレミアムフライデー」ロゴマーク申請企業654社の回答をまとめたもので、あらかじめ同運動に積極参加姿勢を示した企業・団体を対象にしているためとだ考えられる。

特に大きく異なるのが、「次回以降は施策検討」としているのが、事務局調査では86.9%の企業に上り、半数が実施に積極姿勢であると回答した点だ。「エキテン」の調査では、実施する・検討するは1割程度で、温度差がうかがえる。

事務局調査では、消費喚起に取り組んだ企業の27.7%が売上げが増えたと回答。なお、大企業(社員3,000以上)は、57.9%が増えたと答えた。

「プレミアムフライデー」ロゴマーク申請企業・団体は5,545件(3月14日時点)。東京が最も多く1,835件で、次いで大阪480件。次回のプレミアムフライデーはお花見など屋外の行楽が重なる3月31日。

(編集・甲斐 天海)

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