「本は人より長生き」古書愛好家 欧州やアメリカ市場で復興する本市場
ネットでの文章を読む機会が多くなる電子社会。紙媒体の書籍は淘汰されてしまうのだろうか。いっぽうで、最近、愛読書家の心配を払しょくする良いニュースが伝えられた。
英老舗書籍販売WaterStonesは、この7年で久々に黒字を記録。米国の2016年の書籍販売量は全体で3.3%増加し、ネット通販大手Amazonでは15%増加したという。
WaterStoneの昨年度の純利益は950万ポンドで、昨年のマイナス450万ポンドから大きく回復に転じた。その要因には、児童書、青少年文学、小説の販売量の急増だという。
Amazonは、書籍の販売量が増加した。現在、電子書籍の世界最大マーケットである同社だが、「多く買えば他の書籍を安く買える」との購買心理をあおった販売戦略が功を奏して、同社の書籍の市場の景気を回復させた。
本コレクター「本は人より長生き、死んだりしない」
2月、台北ブックフェアで開催された「古書チャリティーオークション」では、古書愛好家であり北京のエンジェル投資ファンド「真格基金」の王強氏が講演に招かれた。本を30年間収蔵し続けている王氏は、本の内容を確かに理解することが、収蔵の本当の意義と語った。
また、古書のコレクションは「歴史からの知恵の収集」であり、これまでの人類文明の歴史の選択を知ることに繋がり、現代人の視野を広げてくれるという。
王氏はさらに、本は文字のみに止まらず、意匠を加えられた装丁は芸術だと評価している。「装丁には生命があり、生まれてから時と共に成長するので、装丁のコレクションは命を預かることになるのだ」と話した。
欧米紙媒体書籍市場の回復傾向がどれほど続くかはわからない。しかし、王氏は「歴史から本がなくなることはない。人より寿命は長く、死んだりもしない」と熱弁をふるった。
(翻訳編集・豊山/佐渡 道世)
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