WHO、薬剤耐性のある脅威の細菌12種を発表
世界保健機関(WHO)は初めて、ヒトの健康に最も大きな脅威となり 、新たな抗生物質が必然的に必要な薬剤耐性のある菌12種を発表した。効果的な薬剤の開発に向けた資金の調達のためとWHOは主張している。科学誌ネイチャーが28日、伝えた。
このリストには、12の細菌や細菌種が、脅威とみなされるものから上に並べられた。他の治療で効果が出ず、最後の手段として取り入れられる抗生物質「カルバペネム」に耐性を持つのは上位3種。
最上位のアシネトバクター・バウマンニーは、治療法がほとんど存在しない重度の感染症を引き起こす。ランキングには、肺炎や淋病を引き起こすような、認知度の高い細菌も含まれている。
WHOは、既存の抗菌薬耐性をもつとされる人口は世界で約70万人で、新薬開発に努めなければ2050年までに1000万人に達すると予測する。
米国疾病対策予防センターによると、耐性菌による感染で、米国だけで少なくとも2万3000人が死亡している。
WHOのマリー=ポーラ・キエニー氏は、リストの公開にあたり、抗生剤開発に注力されなければ「緊急に必要とされる抗生剤を手にするのが間に合わなくなる」とコメントしている。キエニー氏によると、新医薬品の開発には10年かかる。
下記は、このたびWHOが発表した、新しい抗生剤は必要とされる脅威の細菌リスト。
1.アシネトバクター・バウマンニー
2.シュードモナス・アエルギノサ
3.腸内細菌科 ESBL産生菌
4.エンテロコッカス・フェシウム
5.スタフィロコッカスアウレウス
6.ヘリコバクター ピロリ
7.カンピロバクター
8.サルモネラ
9.ナイセリア・ゴノレエ(淋病)
10.肺炎連鎖球菌
11.ヘモフィルスインフルエンザ
12.シゲラ種
(翻訳編集・佐渡 道世)
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