2005年3月、北京の人民大会堂での会議に出席する曽慶紅・副主席(当時)(Cancan Chu/Getty Images)
人物

「影のドン」曽慶紅 江沢民の腹心として登り詰めた人(1)

曽慶紅は、中国の国家安全情報システムを牛耳る人物と認識されている。しかし実は、その情報システムや諜報活動を掌握するポストに就いたことはない。では、曽慶紅はどうやって国の情報スパイ活動を掌握し、「ドン」とまで形容されるようになったのだろうか。

曽慶紅の父親・曽山は、中国共産党の諜報システムをまとめる内務部長を務めた人物。曽慶紅は、情報特務系統の申し子とも言える。中国本土で発禁本に指定されている宗海仁著『第四代』(注1)には、曽山は内務部長の職にあった時、明朝、清朝の資料を読みふけり、官吏の道を深く理解すべく、苦学を重ねたと記されている。

この父親からの影響を色濃く受けたため、曽慶紅もまた、明代、清代の宮廷秘史に興味を持っていた。なかでも、敵対人物にいかにダメージを与えるか、権力闘争の中で自分の立場をいかに守るかについて学んでいた。

▶ 続きを読む
関連記事
【大紀元日本11月19日】江沢民元国家主席の牙城はついに取り崩しがかかったのか。三中全会の後、江沢民一派の本拠地である上海市のトップ、韓正共産党市委員会書記は異動され、後任に習近平主席の側近が充てられ
【大紀元日本9月24日】江沢民元国家主席を中心とした上海閥は1989年以来、中国政界を牛耳ってきたが、習政権発足以来、上海閥の勢力は次第に弱まってきた。しかし、最近、江沢民元主席の牙城・上海市のトップ
【大紀元日本4月6日】香港政論誌「争鳴」4月号は、元最高指導者・江沢民氏の右腕で党内序列5位だった曽慶紅が、失脚した周永康と令計画氏と共に「違法な政治活動」を行っていたことを、腐敗監督を担う中央規律検
【大紀元日本5月8日】反腐敗運動を進めている中国で、上海市政府は1日、市級高官の配偶者・家族の企業経営を禁止、制限する新規定(試行案)を公表した。習近平政権の反腐敗運動に抵抗する上海市政府が一転して協