反腐敗を絶望視?「100年あっても撲滅できない」=香港誌
中国共産党の習近平政権が2013年から「ハエもトラも叩く」と反腐敗キャンペーンを推進してきたが、しかし党内腐敗実態が深刻で、全国から集まった大小官員の汚職などを告発する案件の多さで「100年経っても処理ができない状態だ」と明らかになった。香港誌「動向」9月号が報じた。
同誌の報道によると、小物官僚や下層部官員や役人、大物官僚さえ対象としてきた反腐敗キャンペーンが始まってから、中央政府、省政府と省以下の地方政府までの3階級の官員汚職に関して、当局が立件調査を行った案件数が243万件で、処分を下した対象人数が237万人以上だという。
しかし、当局は、反腐敗キャンペーンを行っても案件が「あまりにも多すぎる」ため、完全に腐敗を取り除けないと認識。党員の腐敗などを監督し取り締まる機関の中央紀律検査委員会の王岐山・書記は撲滅を「絶望視している」という。
報道では、中紀委とその下にある各地の紀律検査機関には、全国から集まり、まだ処理していない汚職に関する告発が500万件を上回っている。中では、下層部官員、いわゆる「ハエ」の汚職・腐敗案件が最も多いという。
今年5月習近平氏が王岐山氏と反腐敗について意見交換をした際、「下層部の官員による腐敗は、大きな災いになる可能性が多い」と警戒感を示した。また、人手不足により、当局の取り締まりが追い付かないという。一部では、「全国の公務員のうちの3分の2が紀律検査機関に入れば、はじめてハエをたたくことができる」と囁かれている。
一方で、告発された官員と利害関係があるためで、各地方政府の官僚が意図的に、汚職告発案件を処理しないこともよくあるという。
「動向」誌は、当局が迅速な行動を起こし、速やかに「トラ王」である江沢民を法的に裁き、いっきょに腐敗集団を打撃することで、はじめて国内政治体制改革が行えるようになると評した。
習政権の反腐敗キャンペーンが始まってから、すでに副国家級(例えば中央政治局委員や国務院副総理など)以上の最高指導部の高官5人と、中央委員会の委員10人と補欠委員13人が取り調べを受け、失脚した。ほぼ全員が江沢民派閥人員だ。
(翻訳編集・張哲)