10月1日、人道的な医師会「中国での臓器収奪による犠牲者を弔う日」制定
医療専門家による非政府団体「臓器の強制摘出に反対する医師団」(DAFOH)は、このたび、10月1日を「臓器の強制摘出に反対する国際記念日」に制定した。初年度として、国連人権高等弁務官に、この人権侵害に対して行動をとるよう求めた。同日は、中国共産党政権による中国人民共和国が成立した「国慶節」と定める日でもあり、注目の高まりを狙う。
DAFOHは、臓器のために 年間数万人の「良心の受刑者」が中国で殺害されるという人道犯罪を広く伝えるため、設立された。同団は2016年ノーベル平和賞にノミネートされた。
同調査員によると、臓器元は、1999年から中国共産党に弾圧されている精神修養法・法輪功の学習者が主だという。そのほかにチベット民族、ウイグル民族、中国家庭教会(全能神)も対象となっている。
大規模人道犯罪、国連へ働きかけ
早急にこの臓器収奪を止めるために、DAFOHは世間にアクションを求めている。同公式ホームページから「強制的な臓器摘出を即時停止させるための1日限りの請願書をダウンロードし、DAFOHと国連人権高等弁務官のメールアドレスに送信するよう求めている。請願書は「中国の良心の受刑者からの強制的な臓器収奪に関する大量の証拠を警鐘する」ことを表明するものだ。
ザイド・イブン・ラアド現国連人権高等弁務官に宛てるこの請願書は、臓器収奪を即時に停止するよう中国当局に要求している。「この非道な犯罪の実行者を刑事告発に導くよう、さらなる客観的な調査に着手」し、法輪功への迫害の停止を求める内容だ。
法輪功の五つの緩慢な動きと、真善忍を基本理念とした道徳観は、1990年代に中国で人気が全土に拡大し、学習者の数は共産党党員数を超えた。これを脅威と見なした当時の共産党党首・江沢民は、1999年に弾圧を指示する。
年間の臓器移植手術数、死刑執行の数、大きな違い
カナダ政府元高官デービッド・キルガー氏、人権弁護士デービッド・マタス氏、ジャーナリストのイーサン・ガットマン氏による最近の調査では、2000年前後から、年間6万件から10万件の臓器移植手術が行われたと推計している。この年は、法輪功迫害が始まった6カ月後にあたる。この期間、中国側はほとんどの臓器源は死刑囚と主張していた。処刑者の数は明らかにされていないが、3人の調査によると、年間数千人だという。
移植件数と処刑者数の大きな差から、臓器収奪の犠牲者は、行方不明者の多い法輪功修煉者と結論付けた。他の証拠に、医師が「法輪功の健康な臓器がある」と宣伝する電話調査の録音、拘留中に学習者が受けた血液検査に関する複数の報告、法輪功弾圧と臓器移植に関わった共産党の人物が重複すること、など。
世界からDAFOHの活動を支持する声
DAFOHのウェブサイトでは、日本や米国を含む数多くの支援の声を掲載している。
山田宏参議院議員は「強制的な臓器収奪の犠牲になられた全ての人々に対して、心からの哀悼の意を表します。崇高な医の精神に真っ向から挑戦するこのホロコーストが、全世界の人々の良心の力強い連帯によって一日も早く根絶されるよう、日本からも行動を起こします。」との声明を出した。
米国の州議会議員も数多くコメントを寄せている。マイケル・F.カーティン・オハイオ州議会議員は、「長年にわたり、私は中国や他国で臓器が強制的に収奪されているという証拠が重なっていくことに、深く当惑していました。国連人権委員会はその権威を駆使して、この常軌を逸した苦悩、文明への侮辱、人道への侮辱を停止させる道徳的義務があります」。
ペンシルヴァニア州のマイケル・G.フィッツパトリック共和党議員は、「臓器の強制摘出に反対する国際記念日」の前日、衆議院の陳述に記録した「現代の別の形態の邪悪であり、国連はこの人道に反する犯罪に、我々同様、喚起されることでしょう」と語った。
中国では、10月1日を建国記念日「国慶節」として祝う。1949年、毛沢東が中華人民共和国の設立を公布した日だ。中国共産党政権が生まれた年でもあり、党に虐げられている人々は、この日を「国殉日」として憂いている。
(文:フランク・ファン/翻訳:阿部慶子)