中国の麻酔鎮痛剤 米で麻薬原料となり被害甚大
ブラウンフィールド米国務次官補(麻薬対策担当)は17日の記者会見で、中国産のフェンタニル(麻酔・鎮痛剤)をヘロインに混合して作られる麻薬は、米国内で多くの死者が出ていることを明らかにした。
同国務次官補の説明によると、約10年前からアメリカの麻薬闇市場でコカインに代わり主流となったヘロインには、フェンタニルを添加する類のものの被害がもっとも甚大で、使われるフェンタニルのほとんどは中国製造のものであり、麻薬組織が第三国のメキシコで混合加工を行っている。
フェンタニルは同量のヘロインよりも麻薬効果が強いとされる。「国内の薬物中毒死者の多くはヘロインではなく、フェンタニルによる死亡だ」と説明した同国務次官補は、中国政府と解決策を議論していることを明かしながら、中国でフェンタニルの生産(保管)には当局の許可・監視が義務付けられていない業種もあるため、対応の難しさを示した。
米メディアの報道によると、米男性は今年3月、中国メーカーが新たに生産をはじめた新型のもの「フラニル フェンタニル(furanyl fentanyl)」を添加した麻薬を摂取したことが原因で死亡した。
フェンタニルとは麻酔や鎮痛、疼痛緩和の目的で利用される合成オピオイドである。日本では、麻薬及び向精神薬取締法に麻薬と定められ、過去に同類の麻薬による死亡例が報告されている。
(翻訳編集・叶子)
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