香港訪問のナンバー3、政治団体と市民「出て行け」抗議
香港訪問中の中国共産党で序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長(国会議長に相当)に対して、香港の民主化を阻止したなどとして、香港政治団体と一部の市民が「張徳江、香港から出て行け」と叫びながら抗議活動が行った。米AP通信が5月18日伝えた。
報道によると、抗議活動に参加した約100人の香港市民が「張徳江、香港から出て行け」と叫び、また「(香港の自治に)干渉するな」、「真の普通選挙が必要だ」と訴えながら、当日張氏が講演を行う会議展示センターまでデモ進行した。
そのため、香港警察当局は約8000人の警察を出動させるなど厳戒体制を採った。会議場の外では、警察らは抗議者を鉄柵で囲んだ。
香港民主派政党の社会民主連線(社民連)の呉文遠主席はAP通信に対して、2年前全人代委員長に就任した張徳江氏は、香港民主派が求めた「市民指名」による香港行政長官選挙制度を認めず、香港の民主化を阻止したとの見方を示した。「今回の訪問はただの政治的なショーだ」と批判した。
また抗議者たちは張氏が2003年広東省共産党委員会書記在任中、SARS(重症急性呼吸器症候群)の発生状況を隠し、対応が遅れた影響で299人の香港人がなくなったことに対して、張氏は責任を負うべきだと指摘した。SARSで亡くなった香港人の数は中国本土に次ぎ世界で2番目多い。
さらに、抗議者は香港長官選挙制度やSARSのほかに、中国共産党が香港の現地文化や公民の自由を破壊していることに強い不満を示した。2014年秋に「雨傘運動」を主導した学生リーダーの1人で、現在新党「香港衆志」の主席を務める羅冠聰氏は「ニューヨークタイムズ」に対し、「5月17日、張氏は香港の高度な自治に関して、市民からの提案と訴えに耳を傾けると明言した。果たして本当だろうか。本当であれば、なぜ我々の抗議場所を会議場から遠く離れた場所に許可したのだろうか。張氏は我々を目にすることが全くできない」と非難した。
羅主席によると、警察当局に強く警戒されたため、「香港衆志」は17日と18日に予定した抗議活動が実行できなかった。
香港紙「苹果日報」によると、17日香港に到着した張徳江氏一行を載せた車両が、香港大嶼山高速道路を走行し、建設工事が行われている北嶼道路の一部の高架橋に掛けられた「中国共産党の専政を終わらせよ」との横断幕の前を通過した。この横断幕は社民連のスタッフが事前に掛けたものだ。
(翻訳編集・張哲)