米国株式市場に上場の中国電子商取引最大手アリババグループの株価は過去1年間に約3%下落した。アリババグループ創業者の馬雲氏 (大紀元合成写真)

株価に明暗分ける アリババVSアマゾン

米国株式市場に上場の中国電子商取引最大手アリババグループが5月5日に発表した決算報告によると、1~3月期の売上高は前年同期比39%増の241億8000万元(約3990億円)。市場関係者の事前予想は232億2000万元だった。しかし、1株あたりの利益は0. 47ドルで、市場予想の0.55ドルを下回った。

アリババの業績は好調だが、米株式市場での株価は今年に入ってから5月初めまで約3%下落し、過去1年間においても0.7%下げた。

5月7日、米ニューヨーク株式市場でのアリババの終値は前日比0.47%高の1株=79.20ドルだった。

一方、米国電子商取引最大手アマゾン・ドット・コムの株価は過去1年間において57%上昇した。4月29日、同社が発表した1~3月期決算では、売上高は同期比28.2%増の291億2800万ドル(約3兆1167億円)。1株あたりの利益は市場予想の0.58ドルを大幅に上回り、1.07ドルとなった。

5月7日、米ナスダック市場では、アマゾンの終値は前日比2.25%高の1株=673.95ドルを付けた。

アリババが中国国内で運営する「淘宝」などインターネットショッピングモールには合計約4.23億人のアクティブユーザーがいる。アリババは中国で個人消費者向け電子商取引市場の80%を占めている。一部有料となる企業間電子商取引(B2B)サイト、消費者向けオンライン支払サービス「支付宝」(アリペイ)などのサービスのほか、近年アリババはモバイル事業への投資拡大で、モバイル検索および表示広告からの収益が急速に拡大している。

それに対して、アマゾンは米国電子商取引市場の30%を占めている。長期的にみると、アマゾンは市場シェア拡大の可能性がまだある。アマゾンの売上の75%はネット通販で、23%が会員制アマゾンプライムを含むデジタルメディアサービスからであり、残りの収益は出店業者からの取引手数料となっている。

業績が上々である両社の株価に大きな差がついたのは、それぞれの企業に対する投資家の信頼感を反映したものといえる。アリババの「淘宝」や「天猫」ネット通販サイトでは販売される多くの品物が偽物で模造品だとの指摘が相次いでいた。中国当局は昨年1月、「淘宝」で販売されてる商品の6割以上が非正規品で偽物だと指摘した。また昨年11月米誌『フォーブス』は同サイトで販売されている商品の8割が偽物だと報道した。

4月にアリババは米ワシントンに本部を置く国際模倣対策連合(International Anti-counterferting Coalition、IACC)に加入した。これに対して同連合の一部の企業会員から抗議が起きた。米ファッションブランド「マイケル・コース」(Michael Kors)がアリババの加入を批判し、4月末同連合から脱退した。「マイケル・コース」に続き、「グッチ」(Gucci)も5月4日脱退を表明した。

今後のアリババの株価について、米投資家ジム・チャノス氏は4日、米CNBCテレビで「同社の業務について儲かっているかどうかは不明だ」と悲観的な見方を示した。

(翻訳編集・張哲)

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