最高人民検察院「1.7万缶の偽粉ミルクが市場に流通」 

このほど違法ワクチン問題の実態が明らかになったばかりの中国で、新たに子供の健康を脅かす粉ミルクに関する事件が発覚した。

中国政府最高人民検察院は3月22日、上海警察当局が昨年9月に有名ブランドと偽って乳児用粉ミルクを製造販売したとして組織を摘発してから、今年1月8日までに、事件に関連した容疑者計7人を勾留したと同公式ウェブサイトで発表した。

発表された内容によると、容疑者らが国内で安価で品質の低い粉ミルク、または非乳児用の粉ミルクを購入・加工して缶に詰め、缶の外側に有名ブランドの商標などを付け包装して販売していた。当局の公表した情報によると、偽粉ミルクはすでに1.7万缶以上が鄭州、徐州、長沙などの都市に流通し、不法利益は200万元(約3500万円)以上だという。上海市検察院第3分院は1月15日、容疑者のうちの6人を偽商品の生産・販売の罪で逮捕し、もう一人の容疑者については証拠不十分で決定を保留した。

一方、政府当局は偽粉ミルクの商品名、国内ブランドか海外ブランドかについて、また販売しているスーパーや販売店に関して多くの詳細を明らかにしていない。

インターネット上ではネットユーザーから政府の対応に怒りをあらわにしたコメントが次々と寄せられた。「なぜ粉ミルクの商品名を言わないのか?国民には知る権利がある」、「毒粉ミルク、毒ワクチン。これ以上子供に害を与えないで。この国は最も基本的な食の安全すら守られていない。我々母親はもう自分の子供に国産粉ミルクを与える勇気がありません」、「昨年発覚した事件、なぜすぐ報道しないのか?」

2008年乳幼児用粉ミルクのメラミン混入事件が見つかってから8年が過ぎても、国産粉ミルクへの信用度は回復するどころか、逆に不合格で偽粉ミルクが未だに市場に流通している。同事件では8人の乳児が死亡し、数十万人の乳児が腎結石などの健康被害を受けた。

一部の国民は、中国で人々の健康を脅かす事件が頻発するのは文化大革命の結果だと指摘。文化大革命で中国の伝統文化が破壊されると同時に人々の信仰や道徳基準も破壊され、今の人々は金儲けしか頭にないと嘆いている。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]