【ぶらり散歩道】–東京篇– 今戸神社

東京メトロ銀座線の終点・浅草駅から歩いて15分、山谷堀公園を過ぎて斜めに入った左手が今戸神社だ。大きな鳥居の下にある一対のかわいい招き猫のイラストが目印になる。立派な鳥居を潜ると、風にあおられた丸い絵馬たちが、かさこそと音を奏でていた。

本堂の右手前には、「今戸焼発祥之地」の大きな石碑と小さな「沖田総司終焉之地」の石碑が建っていた。今戸焼は400年余の歴史を持つ焼き物で、招き猫、豚の蚊遣りや鳩笛などの庶民に愛されたものが作られてきた。新撰組で名を馳せた沖田総司は、鳥居前に住んでいた御典医松本良順の私邸で亡くなったという。

本堂は権現造りで、色とりどりの幟に囲まれて賑やかだった。賽銭箱の後ろには大きな今戸焼の2匹の招き猫が鎮座し、2匹の間に今年の干支である可愛い猿がちょこんと座っていた。賽銭箱下の階段脇には、石で作られた2匹の撫で招き猫がいたが、みんなが撫でるせいか頭は真っ黒だった。何のご利益があるのか聞き漏らしたが…。

帰りには浅草寺をお参りしてから国際通りを横切って、永井荷風の「断腸亭日乗」にも紹介されているどじょうの「飯田屋」に寄りたい。私の好きな店の一つだ。

今戸神社 111‐0024 東京都台東区今戸1‐5‐22 電話:03‐3872‐2703

飯田屋 東京都台東区西浅草3‐3‐2 電話:03‐3843‐0881

可愛い招き猫の案内イラスト(江間十四子 撮影)
大木を囲んで吊るされている絵馬たち(江間十四子 撮影)
大きな今戸焼の碑 (江間十四子 撮影)
人口に膾炙されているにしては小さい沖田総司の碑 (江間十四子 撮影) 
権現造りの本堂 (江間十四子 撮影)
撫で招き猫も愛らしい(江間十四子 撮影)

(江間十四子)

 

 

 

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