香港「ワクチン不足」 中国本土からの接種者多数で

本土から香港へ、多くの中国人が予防接種を受けに来ている。そのため香港ではワクチンが在庫不足になるという事態が発生している。

2015年半ばから、香港の病院で「5種混合ワクチン」が不足し始めた。原因は、中国本土から多くの人が香港で予防接種を受けに来ているからだ。

また、小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー13」の中国での使用許可の期限が過ぎており、新しい申請がまだ承認されていないため、現段階で供給できないというのも大きな要因となっている。

香港家庭医学専門家の朱偉星医師によると、香港の混合ワクチンの入荷量は700万人の人口を参考にしている。予防接種のために中国本土からどれだけの人が香港へ来るかは、予想が困難であるという。

子宮頸ガンの予防をする「HPVワクチン」も、中国本土でまだ使用許可が下りていないため、多くの若い女性は香港で予防接種を受けている。

現在、中国の保険業者は、香港での予防接種を大規模に宣伝しており、中国本土では新たに「ワクチン産業」が流行り始めている。

中国国内メディアによると、近年、中国本土では偽ワクチンや期限切れワクチンが出回っており、幼児の予防接種による死亡事故が相次いで起きている。

2015年11月、北京市の生後2カ月の新生児が、予防接種を受けた次の日に亡くなった。

2014年6月、河南省周口市の生後3カ月の新生児は予防接種を受けた後、体温が上昇した。命に別状はないものの、他の幼児に比べて発達にかなりの遅れが見られた。後の調査で、予防接種に使われたワクチンは期限が半年以上過ぎていた。その他360人以上の幼児に期限切れのワクチンが使用されていたことが明らかになった。

(翻訳編集・山本アキ)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]