中国伝統文化百景(11)

伏羲の位相―人と神との間

1、神としての伏羲

『太平御覧』巻七八に引く『詩含神霧』(著者不詳。前漢代の吉凶禍福や未来に関する予言の書である緯書の一つ。原書は散逸しており、清代の馬国翰編の『玉函山房輯佚書』に輯本が収録されている)に、「大きな足跡が雷沢にあった。華胥がその足跡を踏んで伏羲を生んだ」とある。雷沢は雷の神が住むところ(『山海経』海内東経に、「雷沢には雷の神があり、龍の体に人の頭」などの記述がある)であるゆえ、伏羲は当然ながら雷神の子なのである。

この説を裏付ける証拠がある。司馬貞は『史記』三皇本紀に「太暤伏羲氏は風性である」とするが、この風は雷と緊密な関係をもち、雷と同じ系列のものまたはそれの派生したものであると考えられる。そして、伏羲の別名に「庖羲」があるが、「庖羲」または「炮犠」は、犠牲を火で臭みを消して熟させること(袁珂:『中国神話伝説』上、92頁。中国民間文芸出版社、1984年9月)を意味しており、火を作る雷と関係していると思われる。

▶ 続きを読む
関連記事
運動が体に良いことは知っていても、脳への影響は意外と知られていません。実は、わずか数分の運動でも気分や集中力に変化が現れ、長く続ければ脳の老化対策にもつながる可能性があります
膝の変形性関節症の予防に、ヨーグルトやチーズが関係するかもしれません。日本の成人約1万人を11年間追った研究で見えてきた、発酵乳製品と膝の健康の意外な関係をご紹介します
実年齢は同じでも、脳や心臓の老化の進み方は人によって異なります。血液中のタンパク質から臓器ごとの「年齢」を推定し、症状が現れる前に病気のリスクを見つけようとする研究が進んでいます
「あのとき、違う選択をしていれば」と、昔の自分を責めていませんか。でも、あの頃の自分には、今ほどの経験も心の余裕もなかったはず。過去の後悔と向き合い、自分に少し優しくなるための言葉をお届けします
脳卒中やパーキンソン病の患者の体験を通して、回復に向き合う姿勢を考えます。体の緊張をゆるめる、一つの動きに集中する、小さな練習を続ける。中医学の臨床家が語る3つの工夫と、家族の支え方を紹介します