経済低迷の中国 新たに3社債務不履行 「来年はラッシュ」

中国で新たに3社が、債券の元本利息共に償還不能になると宣告した。中国経済の低迷によって2015年は債務不履行が増えている。専門家は「来年はラッシュが訪れる」と予測している。

河南三力炭素製品公司は2.7億元(約50億5000万円)、准安嘉誠高新化工公司は9522万元(約17億8000万円)、華爾潤化工は1億6928元(約31億7000万円)と、3社は12月下旬にあいつぎ債券元本・利息のデフォルトを宣告した。

中国の格付け会社、中诚信国际(CCXI)の統計によると、今年の中国債券市場の信用リスクの案件がすでに25件に上り、そのうち16件は債務不履行が確定。

4月下旬、中央政府直轄の「中国兵器装備集団」の子会社が、債券8550万元(約15.9億円)分の利息のデフォルトを発表し、債務不履行になった初の国営企業となった。 その前日に広東省深圳市の大手不動産開発会社「佳兆業集団」が、5160万ドルの米国債利息が支払い不能になった。

11月11日には、中国第7位のセメントメーカー、山水水泥集団有限公司が総額71億元(約1328億円)のデフォルトを発表した。

経済アナリストは16年の中国経済の動向について、民間及び国営企業の信用リスクは確実にさらに上昇すると予測している。中国経済紙・経済参考報は、これまで債券市場で債務不履行を起こしていたのは主に民間企業だったが、今後は一般の国営企業や中央政府直轄の大手国有企業まで広がると指摘し、経済専門家の見解として「15年は債務不履行多発、16年にはラッシュが訪れる」と報じた。

信用リスクがもっとも高いのは、鉄鋼、コンクリート、石炭、化学工業、非鉄金属などの生産過剰な業界とされ、中国の銀行各社の第3四半期の不良債権残高は、前期より10%増加したとの情報もある。

(翻訳・桜井信一、編集・叶子)

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