中国主要大都市 土地・住宅の価格急騰
不動産バブルの懸念が高まっている中国。11月、北京市近郊の朝陽区の一画が、33億元(約627億円)という超高値で売買成立した。中国の不動産業界筋によると、現在北京や上海などの主要な大都市では土地の販売件数が急増、同一地域の土地が中古マンションの価格より高いという異常な現象が起きている。ただし、これは大都市のみで、中小都市の不動産市場はむしろ不景気と言える。
ロイター通信の報道によると、今回売りに出された土地は4万1964平米で、床総面積11万7498平米の大型マンションを建てられる広さだ。
ディベロッパーは、中国保利(Poly)房地産集団股份有限公司と北京首都開発股份有限公司の2社。報道によると、専門家は諸コストに基づいて試算したマンションの最低分譲価格は1平米当たり10万元(約190万円、627万円/坪)で、付近のマンションの分譲価格に約3倍に相当する。
付近の女性住民は首をかしげた。「いくらなんでも高すぎますよ。そこまでのお金を出して買う価値があるとは思えないのです」
マンションを建てるほか、ディベロッパーのもう一つの選択肢は、土地を転売して利益を上げることだ。
不動産業界の関係者によると、大都市でバブル崩壊が起きるリスクは低いとみている不動産大手各社が、目下主要な大都市で新たに多くの土地を購入しており、土地への投資が再び増加に転じているという。
北京市内の不動産コンサルティング会社のマーケティング部長は、一部の一等地で地価が中古マンションの販売価格を上回ったことについて、中国の不動産市場にゆがみをもたらすと懸念している。
ある民間調査機関が発表した数値によると、10月、中国の10の主要都市の土地販売額は前年同期比24%増加し、今年の第3四半期における北京、上海、広州、深圳といった主要大都市の宅地の平均価格は、1平米当たり1万7680人民元(約331万円、1100万円/坪)である。主要大都市の住宅も値上げの傾向が強まっている。10月は昨年同期に比べ、深圳市は39.9%、上海は10.9%、北京は6.5%上昇した。
その反面、中小都市の不動産市場は低迷し、全国70都市のうち、43都市の住宅価格が下落、宅地1平米当たりの平均販売価格は2377元(約4万5千円、15万円/坪)、主要大都市の約7分の1である。
(翻訳編集・桜井信一、叶子)