新型の携帯電話消毒器 30秒で滅菌可能

カナダの企業が新型の携帯電話消毒器を開発した。この消毒器を使用すると携帯電話に付着した菌を30秒で消毒することができ、主に病院等の医療衛生部門で使用される予定である。

カナダ放送協会(CBC)11月3日の報道によると、トロントにあるクリーンスレートという会社が、新型の携帯電話消毒装置の開発に成功した。この装置は紫外線を利用し、携帯電話の消毒を30秒で完了させることができるという。このような形状の消毒器は医療機関での使用に適しており、この装置の普及によって不潔な携帯電話を介した感染症の伝播を防止することができるという。

報道によれば、この製品は最近米国ニューヨーク州のバッファローで行われた世界商品展示会において、1万1千もの新開発商品の中から優秀商品第2位に選出され、50万ドルの賞金を獲得した。装置の使用によって、クロストリジウム・ディフィシル菌(C. difficile)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等の院内感染を引き起きやすい病原菌に対して有効な消毒効果が得られるそうだ。

製品を開発した企業のCEOテーラー・マン(Taylor Mann)氏は、看護師として働く友達との雑談が商品開発のきっかけだったと話す。オンタリオ州キングストン総合病院の新生児集中治療室に勤めている友人の話によると、スーパー細菌による院内感染を予防するために集中治療室では携帯電話の使用を禁止しているが、規則を無視して携帯電話で新生児の写真を撮る親は多い。規則違反を咎めると親の感情を傷つけ、かといって許してしまうと子供たちの健康を脅かすため、いつも悩んでいるという。

多くの病院が救急治療室や手術室で似たような規則を設けている。しかし、患者の家族の大多数がこういった規則を守らず、消毒していない携帯電話を平気で使用しているケースは非常に多い。こういった情報を別ルートから得たテーラー氏は、携帯電話に付着している病原菌を短時間で有効に滅菌できる機器の開発に着手した。

今回開発された新型の消毒器はオンタリオ州の三つの病院の玄関、集中治療室、看護ステーション、診察室の入口等に既に設置されており、その消毒機能と利便性が検証されている。

テーラー氏によると、「漂白剤や過酸化水素を使用して拭く」のが、現在最も多く用いられている携帯電話の消毒方法である。しかしこの方法ではスマートフォンのタッチ画面の感度を低下させてしまう上、消毒後1~3分間の乾燥時間を要する。一方、新型の消毒器は所要時間が短く、タッチ画面の感度にも影響を及ぼさない。携帯電話の白色のプラスチックの外殻を黄色く変色させてしまうのが唯一の欠点である。

(翻訳編集・広田)

関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。