中国死刑囚臓器利用停止の声明、「国際社会を騙す文字ゲーム」=英有力医学誌

世界五大医学誌の一つ、英国医師会が発行するブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の最新号が掲載した医学専門家の連名文章は、中国政府が2014年12月に発表した「死刑囚臓器利用をとりやめる」という声明は国際社会を騙す文字ゲームに過ぎないと記した。文章によると、中国政府はいま「本人の同意を得られているなら、一般ドナーによる臓器提供とみなす」という解釈のもとで、死刑囚の臓器摘出を完全に正当化している。

中国衛生部(厚生省にあたる)の前副部長(次官補)で政府臓器提供委員会の黄潔夫・主任は2014年12月3日、翌15年1月から死刑囚の臓器利用を停止すると公式に発表した。

一方、あれから、黄氏を含む複数の中国衛生部高官はたびたび公の場で解釈をすり替えた。文章は高官らの一連の関連発言を紹介したが、ここではその一例をとりあげる。

声明発表後の15年1月11日、香港のテレビ局「鳳凰衛視」のインタビューで黄氏は「死刑囚による臓器提供を反対していない。彼らが善意で提供しようとするなら断る理由がない。一般市民による提供として扱えば、なんら問題はない」と述べ、「同意のもとで行われるなら合法だ」と国際社会に批判されている同臓器摘出問題を堂々と正当化した。

アメリカ、カナダ、ドイツの医科大学の教授、助教授ら5人が共同作成した「受刑者臓器問題に関する中国政府の文字ゲーム(China’s semantic trick with prisoner organs)」という見出しのこの文章は、「同声明はただ国際社会を騙す文字ゲームに過ぎない」と指摘し、「死人に口なしであるため、死刑囚の臓器摘出は中止するどころか、さらに拡大するであろう」と警鐘をならし、国際的な第三者機関による公正な調査・監視が必要だと提言した。

文章は、中国での受刑者臓器摘出の一番の被害者は集団弾圧を受けている伝統気功・法輪功の愛好者であると指摘した。

世界医師会(WMA)は「死刑囚を絶対に臓器提供のドナーとしてみなしてはならない」と定めている。

(翻訳編集・叶子)

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