ほんの少しの思いやりが善果を招く

幸せや災いの出現は予測し難い   互いを思いやり共に過ごそう

僅かな骨折りで災難の源を追い払い   些少な心掛けのもと善果はやってくる

これは、友達が経験したことです。彼女は市場で、果物の試食サービスをしていました。一種類のみかんが、小さい割にとても甘く、皆に好まれる味でした。多くのお客様が試食し、床にはみかんの皮がちらばっていました。

しばらくすると、そこへ一人の中年の女性が通りかかり、みかんの皮ですべって転んでしまいました。ドターンという大きな音を立ててひっくり返り、後頭部を打ってしまいました。彼女は倒れたまま起き上がれず、苦しそうなうめき声をあげました。瞬時に周りが騒がしくなり、人々は救急車を呼びました。しばらくして女性は救急車で運ばれていきました。

私の友人は、いてもたってもいられなくなり、すぐにその場を離れました。小さな一片のみかんの皮がこのように大きな被害をもたらすなど、だれが想像できたでしょうか。誰かがその時にみかんの皮を拾ってくれていたら、こんな大事には至らなかったでしょう。しかし、残念ながら誰もそのようなことをしませんでした。

誰かの「ちょっとしたお世話」によって、起こりうるかもしれない「事故」を作る要素を消せるのです。腰を曲げて拾うだけで、そのような被害は起こらないのです。

私は時々、「お母さん探し」を手伝っています。日頃、母親が子供を連れてスーパーへ行き、買い物で忙しい時、子供があちこち走り回り、迷子になってわんわん泣いていることがあります。そんな時私は、幼い心に恐怖を感じさせないよう、直ちに子供を慰めて、一緒にお母さんを探します。

この世界には予想の付かない出来事がたくさんあります。災難や不幸の数々は、実は小さな条件の積み重ねによって起きていることが多いのです。もし私たち皆が他人に配慮し、余計なお世話でも、人のために小さな親切を行えば、たくさんの災難がなくなるでしょう。

(翻訳・編集/林檎)

 

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