薬用植物 ツリガネニンジン、トウシャジン

キキョウ科のツリガネニンジン(釣鐘人参)やトウシャジン(唐沙参)の根は、南沙参(なんしゃじん)として漢方薬に用いられます。これらの根にはイヌリンやサポニンといった成分が含まれており、気管や気管支に溜まった痰の除去や、咳を鎮める作用があります。補陰(滋潤)作用もあるため、麦門冬(ジャノヒゲの根)や玉竹(アマドコロの根)などとともに益胃湯(えきいとう)に配剤され、脱水傾向の口渇や咳の症状に用いられることも多い薬草です。また、慢性肝炎などで喉が渇いたり皮膚が乾燥したりする場合には、地黄(じおう)や川楝子(せんれんし)などとともに配剤された一貫煎(いっかんせん)という処方を用います。

日本ではツリガネニンジンやトウシャジンを「トトキ」と呼び、食用にしています。春には新芽を軽く茹でておひたしに、秋には掘り出した根からひげ根を取り除き、茹でて油で炒めて食べます。粘膜を刺激するサポニンが含まれるため、茹でた後、水にさらすのが調理のポイントです。

(吉本 悟)

▶ 続きを読む
関連記事
ハーブは飾りではなく、栄養豊かな「食材」にもなります。ペルシャ料理に学ぶ、抗酸化物質とポリフェノールを毎日の食事で増やす工夫を紹介します
小さなランタナは、互いに争わず、それぞれの時に咲く。人と比べず、自分の色と出番を信じて生きることの美しさを見つめます
ナスは油を吸うだけの野菜ではありません。紫の皮の抗酸化成分、血圧・血糖・腸との関係、栄養を生かす調理と保存のコツを解説します
「体調が悪いのに検査では異常なし」と言われた経験はありませんか?代謝の乱れが原因かもしれません。医師が勧める6つのエクササイズで体の内側から整えましょう
玉ねぎは生がいい?加熱がいい? 栄養を生かす食べ方、紫玉ねぎと白玉ねぎの違い、胃腸にやさしい調理法を紹介します