MH370不明機の捜索、中国が費用負担を拒否 豪当局は憤慨=英紙

昨年3月に消息絶ったマレーシア航空MH370便に対し、捜索費用は航空史上最高額を記録した。オーストラリアが捜索を主導し、費用の大半を負担している。英紙タイムズは10日、オーストラリア当局は不明機の乗客の大半が中国人だったにもかかわらず、中国政府が捜索費用の負担を拒否したことに憤慨していると報じた。

オーストラリアはこれまで、南インド洋を中心に実施した捜索活動で、約7200万英ポンド(約140億円)を投入した。1年以上にわたる捜索は主にオーストラリア西部パース沖の北西1700キロの海域で行われていた。

同国の運輸大臣は、このほど実施された一連の捜索活動に対し、マレーシア、中国と豪州の3か国で費用を分担することが求められていると述べた。

オーストラリアの副首相、ワーレン・トラス事務所の統計データによると、オーストラリアは、不明機捜索のために7600万豪ドル(約70億円)を費やしてきた。そのほか、1400万豪ドル(約13億円)を補正予算に盛り込ませた。

これまでに費用の半分を負担することを約束したマレーシア政府は4000万豪ドル(約37億円)を拠出した。一方、乗客の大半を占める中国はいまだに捜索費用の支払いを拒否している。

MH370の乗客227人のうち、中国人153人、マレーシア人38人、オーストラリア人は6人だった。

マレーシアの首相は6日、インド洋東南部の仏領レユニオン島の海岸で先月29日に見つかった航空機の残骸が、不明機の一部だと確認されたと発表した。

(翻訳編集・王君宜)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。