S&P:中国企業債務残高が過去最高 「理財商品」デフォルト懸念強まる

【大紀元日本3月3日】世界格付大手のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が2月26日に発表した統計によると、中国非金融企業の借入と債券を合わせた債務残高は昨年末に約12兆ドル(約1224兆円)で国内総生産(GDP)の120%に相当し、過去最高水準となった。S&Pは今年または来年には、中国の企業債務残高が米国を上回り、世界一の規模になると予測し、中国企業による債務不履行(デフォルト)のケースは今後増えると予測した。多くの企業はデフォルトを回避するため資産の売却や合併を加速せざるを得ないとの見解を示した。

一方26日付ロイター通信社によると、親会社であるトムソン・ロイターが株式市場に上場している中国の945社の中型および大型非金融企業を対象に行った調査では、2008年から13年9月までの総債務残が1兆8200億元(約30兆9400億円)から4兆7400億元(約80兆5800億円)に、約2.6倍に激増したという。ロイター通信は中国企業の債務の増加ペースは「前代未聞」とし、今後企業のリストラとデフォルトが加速する可能性があると示した。

中国企業の債務と関連するのは信託会社、いわゆる影の銀行が発行する「理財商品」(高利回り金融商品)だ。今年約4兆元(約68兆円)規模の「理財商品」が満期を迎えるとされる。今年に入って中誠信託や吉林信託が融資している企業の経営破たんで元本返還と利益の支払い不可能とのデフォルト懸念の報道があった。中誠信託は中央政府の指示を受けているとされる第3の投資家が現れたことで期限ぎりぎりでデフォルトを回避した。一方、吉林信託に関しては関係者が商品の第6期満期日である3月11日までに回避する方法をまだ摸索しているという。招商銀行アナリストの劉東亮氏は「南方都市報」(2月27日付)に対して「信用リスクの現れた初期には中央政府がリスクを抑える力を有するが、しかしリスクが強まるにつれ、政府がどの程度までデフォルト危機を回避できるのかについて今後中央政府の方針を見極めなければならない」と述べた。

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