【大紀元日本1月24日】2008年、有毒物質メラミン混入の乳児粉ミルク事件で懲戒免職された中国当局の幹部は相次ぎ復帰している。香港紙「星島日報」によると、同事件が発覚してから、河北省石家庄市の冀純堂・市長は直接の責任を問われ、党内すべての職を解任されて、全国人民代表をも罷免させられた。ところが最近、同氏は河北省工業・信息化庁の副庁長に就任した。そのほか、同じく同事件で懲戒免職された石家庄市の2人の副市長、張発旺氏と趙新朝氏だが、前者はいま市政治協会副主席、後者は原職に復帰した。
「星島日報」によると、同市政治協会の公式サイトと市政府の公式サイトの幹部名簿の一欄では、張発旺氏と趙新朝氏の名前は削除されている。一説では、メディアと市民の関心をそらすためという。冀純堂氏は19日の取材で、復帰したことを認め、記者に対して、この件を報道しないよう要求した。
同乳児粉ミルクの有毒物質混入事件の被害乳児の親・趙連海さんは、関係責任者の幹部らが相次ぎ再起していることについて、「非常に怒っている」と心情を語った。
また、同事件の責任を取って辞任した中国国家質量検査総局の李長江・元局長は2年前に別の政府機関の幹部職に就任した。
この事件の背景は、中国乳業大手「三鹿集団」が乳児用粉ミルクのたんぱく質の含有量を水増するため、有毒化学物質メラミンを混入した。中国当局の公表では、問題の粉ミルクを摂取した乳児のうち、29万人が腎臓結石などの腎臓疾患を患った。確認された死者は6人。
中国では汚職やスキャンダルで懲戒免職された幹部が、事態が沈静化してから官職に復帰するのは、一種の慣例になっている。
(翻訳編集・叶子)
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