【生活に活きる植物】 41・百合(ユリ)

【大紀元日本8月26日】ユリユリ科ユリ属の総称です。代表的な種にヤマユリ、テッポウユリ、オニユリ、ササユリ、カノコユリ、オトメユリなどがあります。日本では全国に自生状態で群生し、あるいは栽培されている多年草で、夏に花が咲きます。

山百合(ヤマユリ)の変種である作百合(サクユリ)は、草丈は2メートル、花径は30センチにもなり世界最大です。芳香が強く、伊豆諸島に自生しています。鉄砲百合(テッポウユリ)は筒状で純白の花を横向につけ、雌雄同花です。沖縄県に自生種が群生しています。鬼百合(オニユリ)はオレンジ色で、暗紫色の斑点がある花が咲きます。花弁は反り返り、葉の付け根にムカゴができます。笹百合(ササユリ)は日本固有の種で、ピンクの花をつけます。希少植物の一つです。ユリ属の鱗茎(球根)の鱗片は百合(びゃくごう)という生薬になります。

【学名】サクユリ:Lilium auratumテッポウユリ:L. longiflorum

【成分】デンプン、グルコマンナン、フェルラ酸、ナルキシンなど

 【薬用効果】百合は心・肺経に働き、滋養強壮、利尿、鎮咳などの効果があります。病後のイライラなど精神不安にも有効です。一日量は乾燥物9~15gを煎服します。民間では生の根をすり潰し患部に貼付して腫れを取り、塗布して切り傷を治します。

【食用】ヤマユリ、コオニユリ、オニユリの鱗片を軽く煮てから、粥、茶碗蒸しに利用しますが、疲労回復などの薬効もあります。中国では、乾燥した鱗片を水でもどし炒めて食用に、また澱粉の原料とします。テッポウユリは苦味が強く食用には適しません。

【余談】サクユリはカサブランカなどのユリの交配親として重要な遺伝資源です。日本や中国から欧米にユリが紹介されたのは19世紀ごろ。現在では多くの品種が作り出され、世界中で愛されています。日本では、美人の象徴として「歩く姿は百合の花」という言葉がお馴染みですね。

ササユリ

鉄砲ユリ

オニユリ

カサブランカ

(文と写真・ハナビシソウ)