死者130人 被災者1000万人超 中国南部、拡大する豪雨被害

 【大紀元日本6月20日】中国本土の中部と南部を襲っている豪雨の被害が拡大している。中国政府の発表によると、今月3日から17日にかけて、一連の洪水による死者は130人、行方不明者は88人に上っている。被害は14の省に及び、1000万人以上被災し、100万人以上が自宅を離れ避難している。

 豪雨のため14の省内の100余りの河川が警戒水位を超え、洪水が発生している。江西省楽安河、湖北省陸水など6つの河川では観測史上最高の洪水を記録した。18日、中央気象台は洪水警戒レベルを最高の4に引き上げた。

 浙江省を流れる銭塘江(せんとうこう)流域の複数の水位測定ポイントでは、今月16日、いずれも最高水位を記録した。蘭渓地区では、ここ20年の増水期において最も高い水位である33.3メートルに達したという。

 そのため、同省の9都市、43県(市区)が洪水の被害に見舞われ、2470棟の家屋が倒壊、209万人が被災し、351本の道路が通行不能となった。また、堤防の2951か所で亀裂などが生じており、水害による直接的な経済損失は30.3億元(約363億6000万円)に上るという。

 また、同省衢州市当局は19日午前11時時点の降雨量から、翌日、同市の水文水位測定所

15日、浙江省開化市(Getty Images)

で最高水位を超える危険性があると予測。予防策として、衢州市にある14の中型ダムのうち、9カ所で放水を行った。一方、放水門の損傷や地滑りによって放水路が塞がっているダムが一部発見されており、豪雨によるダム崩壊の危険性が高まっており、緊急措置を取っているという。

 湖北省では17日からの豪雨で301万人が被災し、死者、行方不明ともそれぞれ2人となっている。省都の武漢市では平均降雨量が191ミリに達し、交通がほぼ全面的に麻痺している。また、今回の豪雨のため、同省十堰市房県で土砂量1万立方メートルの地滑りが発生。死者行方不明者の数はまだわからない。同じ場所で14日の暴雨でも地滑りが生じており、6人が行方不明になっている。

 

18日、武漢大学のキャパス(Getty Images)

18日、武漢市街地(Getty Images)

四川省では豪雨による土石流で8人が死亡、29人が行方不明になっている。また、雨の影響で4台の列車が立ち往生し、5000人以上の乗客が車内に閉じ込められた。18日では多くの列車の運行が停止している。

 中央気象台18日の予報によると、重慶や貴州、湖北、湖南、江西、安徽、江蘇、上海、浙江、広西、広東、雲南の12の省・市では今後も暴雨が続く見込みとなっている。

 5月末までの干ばつは降雨により一部緩和されているが、雨は一部の地域に集中しているため、18日の政府の発表によると、まだ480万ヘクタールの農地が干ばつの影響を受けている。専門家は今年後半に農産物の値上がりを予測している。

(大紀元日本ウェブ編集チーム)
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