【呉校長先生の随筆】 ー記憶の宝箱ー

【大紀元日本1月4日】来月に卒業を控えた中学3年生のりゅう君は、無理やり両親に学校へ連れて来られました。2時間の面談の間じゅう、ひと言も話さないまま座っているだけのりゅう君。りゅう君の父親からは、「息子の気性はキレやすく、すぐカッとなり、交友関係がとても複雑です」と聞いていました。学校の成績は悪く、良くない習慣が身についていて、親と口論を始めると聞くに堪えない乱暴な言葉を吐くので、家族全員が彼のことを諦めたといいます。りゅう君の父親は、今日の面談でりゅう君を諭すことができなければ、警察署の少年補導課に委ねるしかないと話しました。

私はネクタイを整え、コーヒーで頭をすっきりさせ、午後の面談に臨みました。りゅう君の幼少時代にあった温かい記憶を思い起こさせ、ギクシャクした親子関係を修復させるつもりでした。

午後2時に、りゅう君一家は校長室に到着しました。りゅう君は母親の隣に座り、父親とは向かい側になりました。これが、3人の親子関係を物語っていると感じました。父親は、りゅう君に挨拶するよう促しましたが、りゅう君はそれを無視しました。そして、私を敵意に満ちた表情で睨みました。まるで、私に「説教など真っ平だ」と言っているようでした。りゅう君のような生徒に説教が無駄であることは私にも分かっているので、彼の態度を気にしないようにしました。

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