黄海の漁船衝突事件 中国船員、違法操業を認める 中国外務省、態度軟化へ

【大紀元日本12月24日】黄海で中国漁船韓国海洋警察の警備船に衝突した事件で、中国漁船は韓国の排他的経済水域(EEZ)内で不法操業したという韓国側の主張に対して、中国外務省が21日、中国漁船の不法行為を否定して「責任は韓国側にある」として賠償を要求したが、韓国メディア「東亜日報」は22日、身柄拘束された中国漁民は違法操業を認め、船の転覆は全て自己責任であると認めたと報道した。

23日、中国外務省の姜瑜報道官は定例記者会見で、「中国は韓国と連絡を取り合っており、早期に適切な解決を目指す」と述べ、21日に同報道官が韓国に対して提示した賠償要求には言及しなかった。

韓国メディアの報道によると、18日正午頃、韓国海洋警察庁の警備船は、同国の専属経済水域で違法操業する中国漁船の大群を発見し、阻止しようとして停船命令を出した。その際、中国漁船の「遼営漁」が意図的に韓国の警備船に衝突してきたという。同漁船は衝突直後に転覆して、10人の乗組員が海に転落した。そのうち、1人が死亡、1人が行方不明、8人が救助された。韓国海洋警察官4人が取締の際に、中国側の乗組員から鈍器で殴られて重軽傷を負ったという。

同事件発生3日後の21日、中国外交部の姜瑜報道官は定例記者会見で、事件当時中国漁船は韓国の専属経済水域で操業していたのではないと主張し、違法操業の事実を完全否定し、韓国側が違法な巡視を行ったとして、損害賠償と責任追及を求めた。

韓国国内では、中国外交部の上記の公式発表に強い不満がもたれており、韓国メディアから「中国が逆切れした」「不法操業の事実までも否定」「非理性的な行動」などと中国側を非難する論調が相次いでいる。中国外務省の「傲慢な」態度は、延平島砲撃事件に対して強い姿勢を示した韓国への不満の表れであるとしている。

22日午後、韓国外交部は記者会見を開き、今回の衝突・転覆事件は中国漁船の一方的な行動によるものと改めて強調した。会見に参加した韓国外交部の関係者によると、事件発生2日後、韓国海洋警察庁は駐韓国の中国大使館関係者を招いて、事件当時の映像とレーダーの撮影写真を見せたほか、韓国側に身柄拘束された中国漁民の陳述内容も全て提示した。そのとき、中国側はあまり見解を示さなかったが、韓国に拘束された船員に対してプレッシャーをかけるような調査を控えるよう要求したという。

韓国政府は、非理性な行為を見せる中共当局に対し、対策を捻っているという。

尖閣諸島での中国漁船と日本海上保安庁の巡視艇の衝突事件により、日中関係がこじれていた経緯がある中、今回の事件について、韓国政府の出方が注目されている。

一方、21日午前、韓国の全南新安群黒山面紅島西北側の韓国専属経済水域で、11隻の中国漁船が違法操業しているのが新たに発見され、韓国の警備船が同水域から追い出したという。

(記者・李京燦、韓ケツ、日本語ウェブ翻訳編集)
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