東京で4500人デモ 自由と人権の訴え 「反中から反中共へ」

【大紀元日本11月7日】都内で6日、アジアの自由と平和を訴えるイベントが開催され、イベントの一環であるデモにはおよそ4500人が参加した。主催者「頑張れ日本!全国行動委員会」などにより行われる東京でのイベントは10月2日、16日に続き3回目となる。10月に行なった2回のデモと比べて、今回の参加者数は2倍となったほか、主旨も今までの強い反中色から、中国人の自由と人権を訴えるスローガンが増え、人権と自由を強調することが印象的だった。

日比谷野外音楽堂で開かれた集会では、主催者代表の田母神俊雄氏や自民党の小池百合子衆議院議員、保守派ジャーナリスト、専門家ら30人以上が登壇し、スピーチを行なった。演説の中で、尖閣諸島の問題や、ノーベル平和賞を受賞した中国人作家に対する中国政府の対応に抗議するほか、5日にインターネット上で流出した「尖閣ビデオ」について言明した識者が少なくなかった。小池百合子氏は「未公開の部分も国民に公開すべき」と民主党に対し情報開示の責任を追及した。

演説後、約1時間にわたって日比谷から大手町を約4500人がデモ行進

演説後、約1時間にわたって日比谷から大手町を約4500人がデモ行進(撮影・佐渡/大紀元)

した。隊列を道の向かい側から見ていた女性(22)は「老若男女さまざまで、幼い子供を連れた家族もいる。日本人だけじゃなく外国人の方もいる」と、デモ参加者の多様さに驚いていた。

主催者側は、一団あたり300人に区切られたデモ隊が15団になったため、デモ参加人数はおよそ4500人になると推計している。シュプレヒコールは、尖閣諸島や東シナ海における中国側の横行を批判するものや、ノーベル賞を受賞した中国人反体制者の釈放や、日本政府の弱腰外交批判とロシアへの北方領土訪問反発などに関する内容もあった。参加者が持つ旗には、日本国旗のほか、中国で虐げられているチベット族やウイグル族のものなども見られた。

デモ後、再び有楽町の電気会館前で識者による街頭演説会が開かれ

東京で4500人がデモ参加 アジアの自由と平和を訴える(撮影・佐渡/大紀元)

、週末で人通りの多い有楽町駅前に、緊張感ある演説者の声が響き渡った。

尖閣ビデオへの関心は高い

集会で、ジャーナリストの西村幸祐氏は、ビデオ投稿者「Sengoku38」に映像をリークしたことに感謝の意を述べ、また誰もがメディアとなり情報を発信する意義の大きさを訴えた。

講演を聴いていた会社員男性(32)は尖閣ビデオについて、「客観的に中国の非を証明する唯一の証拠だ。ビデオ全部が公開されないのでは、命を懸けて職務に取り組んだ海保職員が嘆く」と述べた。

イベントには家族連れも参加していた。3歳の子供をつれてデモに参加した父親(37)は「ビデオを見て、日本が(外交面で)受身姿勢のままでは危険だと感じた」と話し、母親(34)は小さな子供を参加させたことについて「一人でも多く意思を表明するため」と力強く述べた。

デモの性質に変化:反中から反中共へ

今回のデモについて、今まで報道しなかった日本国内の多くの主流メディアも取り上げた。同主催団体を「右翼組織」としてきたNHKは昨日の報道で、いくつかの「抗議団体」によるものと報道していた。

BBC中国語サイトの関連記事で、今回のデモについて、「デモの性質は反中から、より鮮明に中国政府の一部政策に反対する方向に移行している」と報じている。

また、「右翼のデモは過去、乱暴な行動で多くの民衆から嫌われていたが、田母神俊雄氏が2月に設立した『頑張れ日本』は今まで右翼組織に見られなかった冷静さ、説得力と組織性を見せている」「中国政府の一部政策と日本政府の弱腰外交を批判する彼らの行動に、日本社会の一部の人々の共感を引き起こし、参加者数が倍増した」とBBCの記事が報じている。

前仙台市長「中国の友人へ……戦うべきは中国共産党」

梅原前仙台市長は日比谷野音の登壇で、「中国の友人へ」と題したメッセージを日本語と英語で発表した。「中国の友人へ。君たちが今なすべきことは、日本を批判することや、尖閣諸島の領有権を主張することや、他国の国旗を侮辱することではない。中国共産党と戦うことだ」とスピーチで読み上げた。

同主催者は、今月13日、14日両日にも、APEC首脳会議開催中の神奈川県横浜にて街頭演説集会を開く予定だ。

(佐渡、趙モジァ)
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