東京国際映画祭で「主権」争い 中国と台湾、開幕式に登場せず

【大紀元日本10月24日】23日、第23回東京国際映画祭が六本木ヒルズで華々しいオープニングを迎えた。ところが、開幕式終了後、グリーンカーペットの側で待ち続けたファンと記者らにある疑問が浮かんだ。「ジュリエット」「モンガに散る」など台湾映画の出展で登場するはずだったビビアン・スーや台湾系スターらが姿を現さず、国内制作費の記録を破った大作「孔子」を連れてきた中国代表団もグリーンカーペットを踏むことがなかったからだ。今回の映画祭開幕式で、台湾代表団の国名に「中国」の二文字を入れるべきと堅持する中国代表団の主張に、台湾代表側がそれを拒否した結果、両代表団ともグリーンカーペットに登場しないことになったようだ。

「主権の問題に関わっているから譲らない」。台湾系メディアの報道によると、開幕式直前に、中国代表団の江平団長が突然主催者側に、「台湾」の国名でグリーンカーペットを歩かせるわけにはいかないとのクレームをつけ、国名を「中国台湾」としなければ中国代表団は映画祭を辞退すると要求した。台湾代表団を率いた台湾行政院報道局の陳志寛団長はその場で、映画祭主催者と江平氏に、中国代表団の要求は受け入れられないと表明した。その後も、両団と映画祭関係者の話し合いが続いたが、最終的には結論が出ず、両団ともカーペット上を歩くことができなかった。

開幕式終了後、両団ともそれぞれ記者会見を開いた。台湾代表団の記者会見で、陳団長は映画祭のカタログを見せながら、「台湾映画」との表記は以前から駐日台湾経済文化代表処が映画祭主催者側と合意したものだと説明した。中国代表団の要求は「独裁かつ強引すぎではないか」と非難した。

今回の映画祭に台湾代表団は大勢の有名人を連れてきた。ビビアン・スーのほか、張均寧、趙又廷なども出席予定だった。グリーンカーペット用の衣装を身につけて豪華な登場に備えていたスターたちは、突然の出来事に驚いたもようで、記者会見では沈黙を続けた。

同時に開かれた中国代表団の記者会見では、「台湾」の前に「中国」を付けることは今回突然思いついたことではなく、日中外交関係を交わした1972年に規定した認識であると江団長が強調し、「中国代表団をなおざりにし、または我々の要求を尊重しない東京国際映画祭主催者の一部関係者に遺憾の意と抗議を表したい」と述べた。同団長は今回の映画祭への参加を辞退すると表明したが、映画祭と無関係の日本の協力団体と合同で開催する中国映画週間は予定通り行うとした。

一方、中国国内の「東方早報」は同事件について、「中国代表団は原則問題で辞退」と報道した。台湾代表団に対する表記を「中国台湾」とすることを映画祭主催者側が拒否したため、中国と台湾代表団とも集団辞退の形式で主催者に抗議したとしている。

(翻訳編集・趙莫迦Zhao Mojia)
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