【ショート・エッセイ】 小説から飛び出した主人公
【大紀元日本10月24日】歴史作家が「小説中の人」として描いた人物が広く読者に受け入れられ、いつしかそれが実像のように先行して動き出すという例は、これまでにもいくつかあった。
坂本龍馬へのブーム的人気は、今回を含めると何回目になるのだろう。その火付け役は、言うまでもなく司馬遼太郎の『竜馬がゆく』(昭和37年6月より産経新聞連載)である。司馬竜馬の欠点を無理に挙げるとすれば面白すぎるということに尽きるが、作者である司馬自身は、実在の坂本龍馬と区別するために小説中での名を「竜馬」にしたという。あくまでも「竜馬」は小説なのである。
とは言え、薩長同盟、大政奉還など歴史上の大仕事を成し遂げた坂本龍馬にあやかろうと、今日の政治家も含めて「竜馬かぶれ」が増えるのは、悪いことではなかろうが、いささか軽薄の感も免れない。口ばかりでなく、せめて坂本龍馬の百分の一でも、公益と天道に則した実績を歴史に残してほしいと願うばかりだ。
関連記事
スマホの長時間使用は、視力低下、聴力障害、心血管リスク、姿勢異常、生殖機能低下、メンタル不調まで関係します。専門家が指摘する6大リスクと減らし方を紹介。
客室乗務員が勧める搭乗前の9つのマナー。髪を洗う理由から服装・香水・裸足NGまで、機内を快適に過ごすための意外なコツを紹介します。
果物や野菜がすぐ傷む原因は、熟成を促すガス「エチレン」。その働きを理解すれば、熟成を早めることも遅らせることも可能です。食材を長持ちさせる保存ガイド。
がんは「どこにできたか」より「どんな遺伝子異常か」で治療が変わる時代へ。がん種横断治療の考え方と代表マーカー、限界点を整理します。
人工甘味料飲料も糖質飲料も、脂肪肝の発症リスクを高める可能性があることがヨーロッパの大規模研究で判明。毎日の飲み物の選択が肝臓の将来を左右します