赤色家族、中国ニューリッチの主体 政商結託でマーケット独占=党機関紙
【大紀元日本9月13日】中国で実質上形成されたニューリッチ・ファミリーによる未来への影響は多方面にわたる。ニューリッチ・ファミリーによる中国での市場独占を防ぐためには、二つの方法が考えられる。一つは、高額の相続税。もう一つは、政治と商業との結託の制限。
上の記述は、中国国営新華社が11日、共産党で最も権威のある機関誌「半月談」から転載された記事の冒頭。「中国のニューリッチ・ファミリーはおおよそ三つのルートから生まれた」と題する今年3月に中国の一部のニュースサイトで掲載された記事の転載だが、タイトルだけ「赤色家族は中国ニューリッチの主体であり、政治と商業との結託を制限すべき」に変更し、共産党トップの座に就く家族、いわゆる「太子党」をターゲットとする意図を露に提示した。
中国のニューリッチの三つのルート
同記事は、中国のニューリッチは、その出身から三つに分類できるとする。一つは、地方でのコネや家族の社会的地位に頼って富を掌握した人で、主に浙江省と広東省の商人たち。もう一つは、国営大手企業の官員たち。企業体制改革のチャンスを掴んで、国有資産を我が物にした。三つ目は、赤色家族 - つまり共産党高層幹部の家族。多大な政治資本を利用して特殊な業界の資源を独占しているという。
「これらの赤色家族は主に、中央政権の許可を必要とする貿易、インフラ整備、エネルギー産業に携わる。不動産業界も赤色家族にとってお気に入りの業界である」としている。
「(これらの)ニューリッチ・ファミリーによる未来への影響は多方面にわたる」「中国未来の商業ファミリーは、日韓のように政治勢力に支えられ奮起したパターンであろう」と「半月談」の記事で述べている。
また、「特に巨大資本と政策支援を必要とする特殊な業界において、政界が背後にある大家族は全ての優位を占める」「別の意味では不公平であり、富を作り、大衆からチャンスを奪ってしまう」と同記事は指摘する。
トップの内部闘争の証か
9月11日付けの新華社記事を多くの中国ニュースサイトは「党機関紙:赤色家族はニューリッチの主体」として掲載した。一部のサイトは「爆弾的発言」とタイトルを付け、共産党で最も権威ある機関紙が「太子党」に刃(やいば)を入れた意外性を強調した。
一方、同記事に関する掲示板上の発言はほとんど削除された。読者のコメントを載せる「網易」などのニュースサイトで同記事のリンクをクリックすると、削除されたというメッセージが出る。
キャッシュ(Cashe)で開かれた僅かな掲示板上には「海外に逃げ出した家族による中国国内への影響については全く触れていない。私有化企業、政府幹部、太子党だけに言及しており、その政治目的は明らかである」などのコメントが見られ、中南海(共産党本部)のトップの内部闘争の動向を洞察している。
中国金融界の「紅小兵」
赤色家族とは誰かについて、「半月談」の記事は言及していない。近年インターネット上で流布されている中共太子党の名簿によると、最も知られている赤色財閥は、下記の家族である。▼江沢民の息子・江綿恒。上海網通の董事長を務める。彼の会社は中国東沿岸部15の省・市の光ファイバーとIPフォンのビジネスを独占している。▼李鵬(元総理)の息子・李小鵬と李小琳。前者は中国国家電力公司副総経理で、アジア電力王と呼ばれる。後者は中国電力国際有限公司CEO。▼朱鎔基の息子・朱雲来は、中国国際金融公司董事長を務める。娘、朱燕来は、中国銀行香港発展企画部の総経理。
そのほか、温家宝総理の息子が投資ファンド企業New Horizon Capitalを創立している。また、胡錦濤主席の息子・胡海峰が董事長を務める企業は、設備購入に関する巨額契約を中国民航と結んでいる。
ファイナンシャルタイムズは、3月の記事で、これらの太子党を「中国金融界の紅小兵」と呼び、国家資産の立て直し、私有化された企業への融資提供することで巨大な利益を儲けていると報道した。
一方、中国の国営「人民日報」系雑誌は今年の4月に、中国のニューリッチ・ファミリーに関する記事で、次のようなデータを発表。「関連機関の2009年の発表によると、中国3000世帯のリッチファミリーが所有する財産総価値は16,963億元(約21兆円)で、一家族平均5.65億元(約70億円)の資産を有する。名簿に掲載されたリッチファミリー1万世帯の総財産は21,057億元(約26兆円で、これらのファミリーの平均収入は2億元」という。(1元=約12.43円)